アーセナルスイス代表MFグラニト・ジャカが、兄との対戦を振り返った。26日、クラブ公式サイトのインタビューで語っている。

 2016年6月11日、ジャカ擁するスイス代表は、フランスで開催されたEURO2016にてアルバニア代表と対戦。そのチームにいたのは、グラニトの兄であるMFタウラント・ジャカだった。実の兄弟である2人は、元々同じスイス代表のアンダーカテゴリープレーしていたが、兄タウラントは両親のルーツであるアルバニアの一員としてプレーすることを選び、こうしてEUROの舞台で史上初となる兄弟対決が実現した。

 スイス代表としてプレーした弟グラニトは、「自分の国と対戦したいという気持ちは信じられない」とし、以下の通り続けた。

「言葉で説明することは出来ない。しかし、EUROのような大会で、兄弟と対戦することは、決して忘れられないことだ」

「母は、半分がスイス、半分がアルバニアのシャツを持っていた。両親が最初に言ったことは、我々が兄弟であることを90分間忘れることだった。彼らは自分たちにやることをやるように言った。そして、90分後、再び一緒になるだろうと」

「試合前には兄と話した。彼には、『聞いてくれ。もし君にタックルする必要があったら、やって良いか?』とね。それが自分たちのやることだった。それを変えることは出来なかったし、集中して正しいことをやった。試合後、自分は勝ったことでもっと幸せだったけど(1-0でスイスが勝利)、その気持ちは信じられないものだったよ」

 また、現在の兄弟の関係性についても触れている。

「兄とはとても仲良しだ。2人とも結婚し、子供もいる。でも、毎日『FaceTime』で5回から7回は話しているよ」

 弟のグラニト・ジャカは現在29歳で、2016年からアーセナルプレー。2019年には1度サポーターとの間で問題を起こしたものの、後に関係を修復し、現在に至るまでアーセナルに在籍し続けている。今季はノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールをサポートする役割(事実上の副キャプテン)にも任命された。開幕から3試合に出場し、1ゴール2アシストを記録している。

 一方で兄のタウラントは、現在31歳。弟と同じく中盤を本職とし、1年半のローン移籍期間を除いてバーゼル一筋のキャリアを送っている。アルバニア代表では2014年のデビュー以降、代表を退く2019年までに通算30試合出場を果たしている。

 国同士の戦いでは珍しい兄弟対決を実現させたジャカ兄弟。クラブチームでの大会で、この2人が再び相まみえる日は訪れるか。

EURO2016で“兄弟対決”を実現したジャカ兄弟(白:グラニト/赤:タウラント) [写真]=Getty Images