先月、アメリカ史上最大規模の1つとなる救助活動がバージニア州で行われた。悲惨な状況で医療実験用に飼育されていた繁殖施設から、4000匹ものビーグルが保護されたのだ。
救助されたビーグルたちには新たな飼い主を探すため、施設を経由し、人間との暮らしに慣れる為、ボランティアの仮里親のもとへと預けられている。
ある一家も仮里親として1匹のビーグル犬を受け入れた。ところが、あまりの愛くるしさに手放すことができなくなり、そのまま永遠の家族となったようだ。
バージニア州の繁殖施設から救助されたビーグル犬の1匹であるサミは、他のビーグル同様、生まれた時から犬としての楽しみも知らず、愛情を注がれることなく過ごしてきた。
しかし動物救済団体に救助された後、サミは人間との暮らしに慣れる為、仮里親のもとへ迎え入れられることになった。
8月11日、サミはカレン・シュレーダーさん一家のもとへやってきた。人との触れ合いに慣れていないサミは、初日はとても臆病だったという。
シュレーダーさん一家は、愛されることを知らない、不遇な環境にいたサミに、ありったけの愛情を注いだ。
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それがサミにとって「この世界は怖いことばかりじゃないんだ」と気付かせたのかもしれない。
ほんの数日で、おどおどし、悲しみの表情を浮かべていた犬が、幸せそうに走り回る犬に変化した。
初めての経験した芝生に大喜びで走り回る
生まれた時から狭いケージに閉じ込められていたサミは、外の世界をまったく知らない。散歩をしたことがないからだ。
そこでシュレーダーさんは、サミを裏庭に連れ出した。初めて芝生に足を踏み出したサミは、草のにおいや感触を初めて味わって、とても興奮したようだ。
カレンさんは、喜びいっぱいに、ぬいぐるみをくわえながら、庭を駆け回るサミの姿をFacebookでシェアした。
このぬいぐるみもサミにとってはじめてできたお友達だ。
ボールを追いかけたり、おもちゃで遊んだり、全てのことがサミにとっては初めての経験だった。そしてそれは全部楽しいことで、サミの表情にも明るい変化が見られた。
居間に置いた心地よい犬用のベッドもすぐにお気に入りとなった。
カレンさんはこのように話している。
サミは、繁殖施設でたくさんの幸せを逃していました。あの施設では、サミは普通のペットがしていることを全然できませんでした。
でも今サミは幸せそうに走ったり遊んだりしながら、人間への愛情を示すようになりました。喜びの表情を見せてくれると、私たちの心は温かくなります。
サミへの愛情が募り、仮里親から永遠の家族に
サミも幸せになれたかもしれないが、一家にとってもサミはとても大切な存在となった。サミの全ての行動が愛おしくてたまらなくなったのだ。
サミを仮里親として迎え入れた一家だが、心をすっかり奪われ、手放すことができなかった。
結局シュレーダーさん一家は、仮里親ではなく本当の飼い主になることに決めた。
「私たちは仮里親としては失格ですね」と笑うカレンさん。
しかし、サミは永遠の家とやさしい家族を手に入れることができたのだ。きっと、それが運命だったのだろう。そしてそれはサミにとって、何よりも幸せなことに違いない。
References:Rescue Beagle Has Most Joyful Reaction To Touching Grass For The Very First Time - The Dodo/ written by Scarlet / edited by / parumo
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