エッセイスト・高山真の自伝的小説を、主人公役に鈴木亮平、共演に宮沢氷魚を迎えて映画化した『エゴイスト』が、2023年2月に公開されることが決定。特報と場面写真が解禁された。

【動画】鈴木亮平×宮沢氷魚、映画『エゴイスト』特報

 本作は、愛と毒のある切り口で数々の名コラムを世に送り出し、2020年に亡くなったエッセイスト・高山真が残した自伝的小説『エゴイスト』を、『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』などを手掛けた松永大司監督が映画化。脚本執筆の際には入念なリサーチを行い、主人公・浩輔のライフスタイルの細部までリアルに描写。登場人物たちの心情に寄り添うようなドキュメンタリータッチの映像で、親密な時間の温度感や、愛するがゆえに生まれる葛藤を繊細に伝えている。

 14歳で母を失い、田舎町でゲイである本来の自分を隠して鬱屈とした思春期を過ごした浩輔。今は東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、自由な日々を送っている。そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである母を支えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太。惹かれ合った2人は、時に龍太の母も交えながら満ち足りた時間を重ねていく。亡き母への想いを抱えた浩輔にとって、母に寄り添う龍太をサポートし、愛し合う時間は幸せなものだった。しかし2人でドライブに出かける約束をしていたある日、何故か龍太は姿を現さなかった…。

 主人公の浩輔を演じるのは、『孤狼の血 LEVEL2』での怪演で第45回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ多くの賞を受賞するなど、目覚ましい活躍を続ける鈴木亮平。龍太役は、『騙し絵の牙』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』など話題作への出演が続く宮沢氷魚が務める。

 まるで自分を守る鎧のようにハイブランドの服に身を包み、気ままながらもどこか虚勢を張って生きている浩輔。最初は戸惑いながらも浩輔から差し伸べられた救いの手をとった、自分の美しさに無頓着で健気な龍太。今回解禁された約30秒の特報映像と場面写真には、そんな2人の幸せな時間が切り取られている。

 特報映像は、龍太が浩輔にキスをするシーンから始まる。龍太の髪を乾かし、龍太のことを「なんかね。ピュア」と表現し好意を寄せる浩輔。幸せそうな笑顔で手を振る2人。龍太の手にハンドクリームを塗ってあげる浩輔。献身的な愛をささげる浩輔と、誰かを心から愛することを知った幸せそうな龍太との時間が映し出されていく。しかし最後は「与えることで、満たされていく。この愛は、身勝手ですか」と問いかけるナレーションに続き、浩輔の「僕は愛がなんなのかよくわからないです」という意味深なセリフで幕を閉じる。果たして彼の言葉は何を意味するのか。タイトルの『エゴイスト』という単語のように、浩輔の独りよがりの愛を表した一言なのか…。

 場面写真は、浩輔と龍太が並んでコーヒーを片手に微笑んでいる、幸せなひとときを切り取ったもの。先月の第一報解禁から徐々に物語の全貌が明かされている、本作の続報に注目したい。

 映画『エゴイスト』は2023年2月公開。

映画『エゴイスト』場面写真 (C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会