人気SFシリーズ『スタートレック』で通信士官、ウフーラを演じたニシェル・ニコルズさんは2022年7月30日に亡くなった。
そのの遺灰が、今年後半に宇宙へと打ち上げられる。
この追悼宇宙飛行を行うセレティス社(Celestis)によると、偉大な黒人女優の遺灰は大型ロケット「ヴァルカン」で地球から飛び立ち、3億キロ先の深宇宙まで運ばれる予定であるそうだ。
‘Star Trek’ Legend Nichelle Nichols’ Ashes Will Be Sent to Deep Space | THR News
黒人女優としてテレビ番組で主役を務めた最初の1人だったニシェル・ニコルズさんは、今年7月31日に老衰による心不全で89歳で亡くなった。
アフリカ系アメリカ人による公民権運動がたけなわだった1966年、ニコルズさんはエンタープライズ号の通信士官ニヨタ・ウフーラという役でスタートレックシリーズに初登場し、1969年にシリーズが終了するまで出演し続けた。
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さらにその後も、1979~91年にかけての6作品で同役を演じている。
また、NASAとも深い関わりを持ち、黒人初の宇宙飛行士ギオン・ブルーフォード、女性初の宇宙飛行士サリー・ライドらの採用を支援した。
黒人女性として初めて宇宙飛行を行ったメイ・ジェミソンさんは、最も影響を受けた人物の1人としてニコルズさんを挙げている。
スタートレックに関わった人たちと共に深宇宙へ
今年末にフロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられるロケットには、遺灰・あいさつのメッセージ・DNAサンプルなどが200個以上のカプセルに収められて乗せられる。
なお遺灰はニコルズさんだけのものでない。
スタートレックの生みの親ジーン・ロッデンベリー、クリスティン・チャペル役のメイジェル・バレット・ロッデンベリー、モンゴメリー・スコット役のジェームズ・ドゥーアン、視覚効果を担当したダグラス・トランブルといった、スタートレックのメンバーのものも含まれているそうだ。
さらにネットを通じて募集されたファンからのメッセージも乗せられる。
これについて、ニコルズさんの子息カイル・ジョンソンさんは、「唯一残念なのは、打ち上げの時に母の横に立って、この永遠の賛辞を共有できないことです」と語った。
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ニコルズさんらの遺灰や遺品を乗せ深宇宙へと運ぶセレティス社のチャールズ・M・チェイファCEOは次のように語る。
伝説的な女優であり、活動家・教育者でもあった人物を乗せることができて、心から光栄に思います。
私たちのエンタープライズ・フライトに、多様性・開放的・宇宙探索というスタートレックのビジョンをもっとも体現した人が乗船してくれるのです
References:The ashes of Star Trek’s Nichelle Nichols’ will head to space - The Verge / written by hiroching / edited by / parumo
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