社会インフラ領域のイノベーション推進と新産業創出を目指すU3イノベーションズ合同会社(本社:港区、共同代表:竹内純子、伊藤剛 以下、U3I)は「第2期TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業」の支援の下、最適設備運用モデルの構築に取り組んでいます。この度、最新IoT技術を使ったオフグリッド・マルチユーティリティ管理システムを開発、山梨県北杜市の「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」にて、試験運用及びデータ取得・分析を実施します
1. 取り組みの背景
U3イノベーションズは、エネルギーや水など既存のライフラインに依存しない完全オフグリッド環境の生活実装を目指した「リビングラボプロジェクト」に取り組んでいます。2022年2月末には山梨県北杜市に実証施設である「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」 を開所しました。現在はこの施設を活用し、エネルギーや水、廃棄物処理などのインフラ領域における自律分散型テクノロジーを集積、生活実装を進めています。
本プロジェクトを通じて、ライフラインに制約を受けないより自由なライフスタイルと、持続可能な地方社会の実現を目指しており、 2023年以降はグランピングなどレジャー市場におけるインフラとしてのサービス提供をスタートさせる予定です。将来的には、少子高齢化を背景に困難になっていく地方のライフラインを支えるサービスとして、市場規模1兆円以上のマーケットへのエントリーを想定しています。
なお、本プロジェクトの概要については、以下の動画でもご紹介しています。
https://youtu.be/1UwxwsWQZi4

本プロジェクトは、山梨県の「第2期TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業」(以下「本実証実験サポート事業」)に採択されました。本実証実験サポート事業は、山梨県全域を実証フィールドとして活用し、県内の27市町村職員、県内企業等とともに、最先端技術やサービスの実証実験プロジェクトを支援することを目的としたものです。 2022年1月より募集を開始し、3月17日に二次審査(ピッチ審査)が行われ、応募総数37社の中から弊社を含む6社が採択されました。
オフグリッド住環境の実現に向けた最適設備運用モデルの構築」をテーマとし、山梨県との連携のもと、「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」での実証実験を推進することで、将来的な地方の社会インフラ置き換えに加え、山梨県発で新しいライフスタイルを創出、「やまなし観光推進計画」実現に貢献します。
なお、本実証実験サポート事業の詳細については、下記ホームページをご参照ください。
https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/support.html


2. オフグリッド・マルチユーティリティ管理システム開発の背景
オフグリッド環境では、エネルギーや水の供給を既存のネットワーク型社会インフラに依存せず、オンサイトで完全に自給自足します。そのため、供給量に合わせて需要量を調整、もしくは需給に関わる設備を最適に運用することで、供給不足を回避することが必要になります。その実現には、エネルギーと水の需要と供給に関わるデータを常時把握するとともに、可能な限り利用者に不便や負担を感じさせることのない、データに基づく自律的な行動変容と、設備の自動制御などが重要です。
しかし、これまでの実証実験では、施設におけるエネルギー・水の需要と供給のデータを一元的に管理できておらず、またそれらを遠隔でモニタリングする仕組みもなかったため、利用者や管理者は、一日に何度も施設内にある設備を直接確認することで、設備の運用状況を把握する必要がありました。
そこで今回、最適設備運用モデルの構築に向けた一歩目として、エネルギーと水のリアルタイムデータの取得・蓄積、並びに利用者と管理者のリアルタイムモニタリングを実現するオフグリッド・マルチユーティリティ管理システムを開発いたしました。
これは「第2期TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業」での実施内容の中心として計画していたものであり、2022年9月1日から同事業が終了する9月30日までの期間、このシステムを活用した実証実験を行うことで、オフグリッド環境における最適設備運用モデルの構築を目指します。

3. オフグリッド・マルチユーティリティ管理システムの概要
オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳に、エネルギーと水に関する設備に複数のセンサーを設置しリアルタイムで計測するとともに、同計測データを数分ごとにインターネットを経由してクラウド上に蓄積します。主な計測データは以下の通りです。
●電気関連:太陽光発電量、蓄電池充電量、電力使用量(100V/200V)、主要設備の電力使用量(冷蔵庫など)、など
●水関連:水供給流量、湯供給流量、排水流量、原水タンク水位、浄水タンク水位、など

また、クラウドに蓄積したデータは、同時にWeb上においてリアルタイムグラフ化され、いつでもどこでも確認することができます。

本システムを施設の利用者が使うことで、供給量の減少や需要量の過剰を認識して、エネルギーや水の利用に関して自発的に行動変容を図ることが期待されます。また、管理者が設備の稼働状況を把握できることで、遠隔であってもトラブルの把握と対応指示が可能になります。

本システムは、異なる会社が提供するモノやサービスを安全に相互接続し、連携を可能にするIoT-EX株式会社(アイオーティー・イー・エックス、所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:小畑至弘、以下:IoT-EX)のIoT相互接続サービス(IoT-EX)を活用して開発いたしました。最新の接続技術、デバイス管理技術、データ管理技術を保有するIoT-EX株式会社は、2019年4月に東京大学 生産技術研究所での研究成果をベースに、様々なIoT機器を個別プロトコルに依存することなく(プロトコルフリーで)接続するインフラ“IoT-HUB”を事業化し、6月には届出電気通信事業者として商用サービスを開始しました。

4. 今後のスケジュール
9月1日より9月30日までの1ヶ月間、以下の試験運用及びデータ取得・分析を行います。
1.利用者の行動変容試験:システムにより供給量の減少や需要量の過剰を認識することで、自発的にエネルギーや水の利用を減らすなどの行動変容を促す
2.管理者によるリモートモニタリング試験:システムにより遠隔地にいる管理者が設備のトラブルなどを認識することで、リモートで現地スタッフや利用者に対応を指示する
3.上記試験運用のデータ取得・分析:1ヶ月間のエネルギーと水の設備稼働データなどをクラウド上に蓄積、設備利用の効率性や、必要十分な設備容量を分析する
また、本試験運用の結果を踏まえ、来年にはレジャー市場や住宅市場などに向けて商用化を目指します。

令和4年9月1日 試験運用開始
令和4年9月30日 実証実験サポート事業終了
令和4年10月 成果報告会
令和5年 商用提供開始

5. お問い合わせ先
本プロジェクトでは引き続き、自律分散型インフラ技術を持つテクノロジーパートナー、実証結果の共同事業化を目指すインフラ系などの大手企業パートナー、オフグリッド環境の活用意向を持つレジャー系などのユーザー企業・自治体パートナーを募集しております。本件についてご関心やご質問などがありましたら、以下にお問い合わせください。

U3イノベーションズ合同会社
担当:川島 Web:https://u3i.jp/contact/ メール:takeshi.kawashima@u3i.jp


■U3イノベーションズ合同会社について(https://u3i.jp/)
U3イノベーションズは、持続可能な新しい社会システム(Utility3.0)の実現に向けたイノベーション推進と新たな産業創出を目指す実践者集団です。多様な価値観を包含する持続可能な未来を実現するため、エネルギー供給を超えた新しい社会システムであるUtility3.0というコンセプトを初めて世に示した、2017年出版の「2050年のエネルギー産業 Utility3.0へのゲームチェンジ」。 この書籍の共著者である竹内純子、伊藤剛の2人により、U3イノベーションズは2018年に創設されました。
自らステークホルダーを巻き込み、新産業を描き、そのコア事業を創出することで、「一人ひとりが多様な価値を実現できる、持続可能な世界」の実現に挑戦しています。

■IoT-EX株式会社について(URL: https://www.iot-ex.co.jp/)
インターネットの普及と共に、私たちは、いつでもどこでも誰でも簡単に情報を入手し、ゲームをしたり、QRコードやモバイルSUICAで支払いをするなど、これまでできなかったことが次々と可能になりました。IoT-EX株式会社は、「繋がる」ことで即座に情報共有できることから、コンシューマだけでなく、ビジネスの世界でもインターネットをもっと活用したいと考えました。そのためには、「いつでも、どこでも、誰にでも繋がる」のではなく、「今だけ、ここだけ、あなただけが繋がる」技術が必要です。しかし、既存のどの技術も「帯に短し襷に長し」だったので、必要な技術を自力で開発することにしました。
最初に開発したのが、繋ぐためのプラットフォーム技術で、LANカードの仮想化とPush技術を使って実現する接続プラットフォームL2Connectです。次に開発したのが、管理するための技術で、管理・監視機能、認証機能、維持管理(ソフトウエアアップデート等)機能や課金機能を備えた、世界初のクラウド型モバイルデバイス管理(MDM)プラットフォームBizMobile Go! です。BizMobile Go! は、キッティング(設定やアプリの配布・更新・削除)の自動化、場所(位置情報等)や時間と連動した制御(業務用アイコンの非表示化等)、撮影した写真をローカルに保存させず指定場所に格納するカメラ制御、他社システム(IT資産管理等)との連携といった独自の機能を数多く持つMDMプラットフォームで、国内外の多数のMDMサービスでOEM利用されています。
これらの技術を使って、スマートフォン、タブレット、PC以外のIoT(デバイスやアプリ、サービスやプラットフォーム)の接続、管理を可能にしたのが、IoT相互接続サービス(IoT-EX)です。IoT相互接続サービス(IoT-EX)は、東京大学生産技術研究所のIoT特別研究会(RC-88)、インターネット協会IoT推進員会(IoTデバイス・プラットフォーム検討WG)、コネクティッドホーム アライアンスとの共同研究成果をベースに2018年4月に事業化しました。その後、接続性、信頼性、拡張性、運用性、セキュリティを強化し、商用サービス化を開始しました。当社は今後も革新的なテクノロジーで社会に新しい価値を提供し、インターネットの安全・安心な利用に貢献していきます。

■TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業について
山梨県では、リニア開業を機に、本県が国内外の皆様の目的として選ばれるため、2020年3月に「リニアやまなしビジョン」を策定し、目指す姿として、テストベッドを突破口に最先端技術で未来を創るオープンプラットフォームやまなしを掲げています。
その実現に向けて、テストベッドの聖地化を図るため、2021年度に、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に対し、全国トップレベルとなる補助率4分の3、最大750万円の経費を支援するとともに、山梨県全域を実証実験のフィールドとして、産学官金連携のオール山梨体制で伴走支援する「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」を創設しました。

配信元企業:U3イノベーションズ合同会社

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