2017年に映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビューしてから5年が経過した南沙良。作家性の強い映画作品を中心にキャリアを重ねてきたが、近年は2021年放送の連続ドラマ『ドラゴン桜』や、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などにも出演し、より注目を集めている。



そんな彼女の新作映画『この子は邪悪』では、家族が交通事故にあい、自分だけ無事だったことで心に深い傷を負ってしまった少女・花を演じた。「いつも病んでいるような役が多いんですよね」と笑った南が、作品の魅力や今年20歳を迎えた自身について語った。

スリリングな作品も「穏やかな現場でした」


――『女子高生に殺されたい』に続いて、また難解な役柄に挑んだという印象がありますが、台本を読んでどんな感想を持ちましたか?


いままで挑戦したことのないようなサスペンス的な作品だったので、撮影に入るのがとても楽しみでした。花は家族が事故にあったとき、自分一人だけ助かってしまったことで罪悪感を持っているのですが、多面的な女の子を演じるのはワクワクしました。


――とても緊張感があるストーリーでしたが、現場はどんな雰囲気だったのですか?


シリアスなシーンでは緊張感はありましたが、皆さんがとても優しい方たちだったので、穏やかな現場でした。


――花の家族はみな心に抱えるものがあるという関係性でしたが、どんな距離感で接していたのですか?


花は基本的に家族に対して罪悪感があるので、壁があるというか、自分から歩みよっていかない子だったので、共演者との距離感は難しかったですね。(大西流星演じる)純くんともあまり仲良くしちゃいけないのかな……みたいな感覚もありました。


――南さんは役の関係性と現場での居方はリンクしていますか?


それはないですね。いがみ合う関係性だからといって、現場で距離を置くみたいなことは基本的にはしません。ただ皆さんそれぞれスタンスがあると思うので、少しは意識しました。でも今回もとても和気あいあいとした現場でした。

いつもの大西流星とは違う空気感を持った芝居


――父親役の玉木宏さんとも複雑な関係でしたが、どんな距離感で?


割と玉木さんの方から話しかけてくださいました。


――玉木さんはダンディな声ですよね


素敵ですね(笑)。


――どんな話を?


普通の世間話ですね。「暑いね」とか「ご飯何食べたの?」とかですね(笑)。


――純役の大西さんも劇中の関係性は微妙ですが、年齢的にも近いですし、若者トークをしましたか?


若者トークは一切してないですね(笑)。あまりガッツリと一緒になる時間がなかったということもあるのですが、なかなかお話しできる機会がなかったんです。なので大西さんともたわいのない会話が多かったですね。「暑いよね」とか「蚊が多いよね」とかですかね(笑)。


――劇中、大西さんは衝撃的なお芝居をするシーンもありましたが、南さんはシーンを共にしてどんな風に感じていましたか?


すごい空気感を出されていましたね。私も引き込まれそうになりました。いつもの柔和な大西さんとは違いました。現場の空気を纏っているようなすごさがありました。


主演でも気負わず「先輩方に甘えさせていただいています」


――玉木さんや母親役の桜井ユキさんなど、先輩がいるなかでの主演でしたが、なにか現場で意識したことはありましたか?


まったくありませんでした(笑)。もちろんお芝居のなかで気をつけたことはありましたが、先輩に甘えきりでした。


――「盛り上げるぞ!」みたいなことも?


全然なかったです。責任感がなくてすみません。


――主演とそうではないとき、現場の入り方も変わらないのですか?


そうですね。あまり主演だからということは意識していません。まだまだ与えられた役を全うする……ということだけで精一杯です。


――先ほど役の関係性と現場の居方は意識されないと話していましたが、ヘビーな人物を演じるとき、プライベートが引っ張られてしまうことはないのですか?


割と切り替えはパッとできる方なのかなとは思っています。そもそも私自身、結構陰な性格なので、あまり役からダメージを受けることがないんだと思います(笑)。


――先ほど「責任感がなくてすみません」と話されていましたが、今年6月に20歳になり、そういった責任感は芽生えていきそうですか?


そうなれたらいいですね。でもいまはまだ思い切り先輩方に甘えさせていただいています(笑)。

ターニングポイントは?


――20歳になって最初の公開作品ですが、なにか気持ちの面で変わったことはありましたか?


特になにか意識したことはないのですが、たくさんの方にお祝いしていただいたことが嬉しかったです。もっと頑張ろうと思えました。


――お誕生日はどのように過ごされたのですか?


誕生日当日は、メイクさんとスタイリストさんと買い物に行ってご飯を食べて、カラオケに行きました。


――二十歳のお祝いにお酒での乾杯は?


乾杯しました。初めてワインを少しだけ飲んだのですが、とても美味しかったです。


――劇中、退行睡眠という療法が使われていましたが、ご自身が戻れるなら戻りたいという過去はありますか?


間違えたなと思う瞬間はたくさんありますが、実際戻れるとしても戻るかといえば、きっと戻らないと思います。いまのままがいいです。


――ご自身のターニングポイントになった場面は?


一番は、ずっと女優というお仕事に憧れていて初めて受けたオーディションですね。小学校6年生のときなのですが。そこから今の事務所に入って現在があるので。やっぱり大きな出来事でした。でもそこに戻りたくはないですね。もし人生が変わったら女優さんになれていないかもしれませんしね。


――以前免許を取りたいと話していましたが、取得できましたか?


実はまだなんです。ずっと「取る」って言っていたのですが、結局まだ取れていません。


――車に興味があるんですか?


ドライブをしたいという思いはあります。あとは犬を飼っているのですが、ドッグランなどにも車があれば気軽に連れていけますからね。免許は欲しいです。


アニメのイベント「一人でも行きます!」


――この作品は、それぞれの思いは違うのですが、登場人物の根底にあるのが「幸せを願う」という思いだと感じたのですが、いま南さんはなにをしているときが一番幸せですか?


一番はお芝居をしている瞬間ですが、プライベートだとアニメを見ているときか、犬の散歩をしているときですかね。


――推しのアニメはありますか?


悩みますね(笑)。でも自分の一番の推しは『ヒプノシスマイク』というアニメの白膠木簓(ぬるでささら)ですね。それ以外だと『PSYCHO-PASS サイコパス』とかは面白くて大好きです。


――アニメのイベントなども行かれるのですか?


行きます。一人でも行きます!周りはまったく気になりません。


――アニメ作品に出演してみたいという思いは? 


もしそういうお話があったら嬉しいですね。南沙良として作品にポンとは入れたら、すごいことですよね。夢みたいなお話ですね。


――年齢を重ねるにつれて役柄の幅も広がっていくと思いますが、やってみたい役はありますか?


やらせていただけるのならば、なんでもやりたいです!でもあまり明るい役をやった経験がないので、挑戦していきたいです。


――最後に作品の見どころを?


家族ごとに愛の形って違うと思うのですが、そういったことを深く考えさせられる映画だなと思います。あとは純粋に先が見えないサスペンスとしても非常に楽しめると思うのでぜひ映画館で観ていただければ。


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取材・文:磯部正和

撮影:渡邉茉那実

ヘアメイク:藤尾明日香

スタイリスト:道券芳恵


『この子は邪悪』

出演:南沙良/大西流星(なにわ男子)、桜井ユキ/玉木宏

監督・脚本:片岡翔

主題歌:ゲスの極み乙女「悪夢のおまけ」(TACO RECORDS / WARNER MUSIC JAPAN

Ⓒ2022「この子は邪悪」製作委員会

PG12

9/1(金)より新宿バルト9他にて全国ロードショー

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