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編集部が「二度見」した広告写真集

一般的なドライバーは普段、自動車メーカー公式のプロモーション画像を意識することはないだろう。しかし、筆者を含め、メディアに関わる人間はこれまでに何万枚もの画像を見てきた。

【画像】奇妙な広告写真のクルマ、中身は?【アンフィカーからビートルまで、各モデルを「普通」の写真で見る】 全140枚

自動車雑誌を発行するような出版社では、社内にフォトグラファーのチームを抱え、レビュー記事向けの撮影を行っている。しかし、新型車の発表などのニュース記事では、自動車メーカーが用意した画像を使わせてもらうことが多い。

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自動車メーカーの広報部門には、想像力豊かな人が多いらしい。普通とはちょっと違う、一癖も二癖もある広告写真を紹介。

メーカーの広報部門がこしらえたプロモーション画像は、クルマの魅力がひしひしと伝わる素晴らしい作品がほとんどだが、中には例外もある。思わず笑ってしまうような写真が、真面目に撮影されていることがあるのだ。ここでは、AUTOCAR編集部がこれまでに見た最高の作品の数々を紹介したい。

アンフィカー770

アンフィカー770は、BMWオーナーであるクヴァント家が1960年から1965年にかけてドイツで製造した水陸両用車だ。当時は「溺れることに革命を起こす」とも言われたそうだが、実際、微風程度でも風が吹いていたら水辺に近づきたくはないだろう。

しかし、この写真のように、静かな湖畔ではいい漁船になったかもしれない……。

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アンフィカー770。これはもはや、クルマではなく漁船なのでは……?

オースチン・マエストロ

この写真には、3台の「マエストロ」が写っている。2台のオースチン・マエストロに、1人の指揮者。彼はナンバープレートを譜面台に置いて、指揮を執っている。何を奏でようとしているかは不明。

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オースチン・マエストロ。英語の「Maestro」には「指揮者」という意味もある。単なるダジャレ

オースチン・マエストロ

1980年代オースチン・ローバーの広報室は、想像力豊かな人たちばかりだった。この写真は、車内の広さをアピールしているようだ。でも、収まりきっていないように見えるのだが……。

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オースチン・マエストロ。にょきにょきとマネキンの手足が生えているのはちょっと怖い。

BMW 700

モデル「広報担当者さん、新型700コンバーチブルの宣伝はどうすればいいですか?」

広報担当者「乗っている人が、重い荷物を積んだロバを率いて坂を上っている人たちに手を振ってもらうだけで結構です」

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BMW 700。なんともシンプルで牧歌的な写真。

モデル「ぜひ、わたしにやらせてください」

BMW 2002

BMWは、ドイツ南部のバイエルン州の州都であるミュンヘンに本社を構えている。そして、これはミュンヘンの伝統的な衣装だ。というわけで、この画像には深い意味があると思われる。

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BMW 2002。ミュンヘンの伝統を表現したい意図だけは伝わってくる。

BMWイセッタ

BMW第二次世界大戦後、倒産間際の苦しい状況に追い込まれる。軍用機のエンジンはもはや需要がなく、ドイツでは誰も自動車を買うお金がなかったのだ。そこで、イタリアのイソ社からライセンスを受けて生産された超低価格のマイクロカーイセッタを作ることになった。

しかし、結婚式の最中にイセッタの発表会を開くというのは、いかがなものだろう。

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BMWイセッタ。お祝儀もイセッタで?

BMWイセッタ

結婚したら、50km/hまで加速するのに30秒かかる、閉所恐怖症には悪夢のような乗り物で過ごす。うん、幸先の良いスタートを切れそうだ。

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BMWイセッタ。お幸せに。

シボレー・ロードスター・トラック

ドイツ人にユーモアがあることはわかった。米国人はどうだろう?

1930年に撮影されたこの写真からもおわかりのように、米国では早くもユニークなプロモーション撮影が始まっていた。トラックはゴルフに最適な乗り物だと言いたいのかもしれないが、重い車両がグリーンを走り回れば、どんなゴルフ場でも発狂するだろう。

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シボレーロードスター・トラック。まさか、このままグリーンに乗り込むつもりではないでしょうね?

シボレー・ベルエア

1950年代、友人たちが集まり、誰かの家を覗き込んで、新車のシボレーに感心している。写真上部にスタジオの天井が見えるのはご愛嬌。

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シボレー・ベルエア。写真左上にスタジオの天井が写っていることに、誰も気づかなかったのだろうか?

シボレー・コルベア

上司「コルベアのプロモーションだけど、鳩の群れで囲んで、素敵な白いドレスを着た女性が、傘を持った変な格好の英国紳士見つめているというのはどうだろう?」

部下「素晴らしいアイデアです!」

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シボレー・コルベア英国紳士不自然なポーズが気になって仕方がない。

シボレー・コルベット

素敵なカップルが運転するコルベットが、自転車のカップルを追い越すことで、ばっちり宣伝になるらしい。

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シボレー・コルベット。他のカップルより素敵になりたい人へ。

シボレー・シェべット(1978年)

学校のマーチングバンドを集めて、巨大なチューバを持った大柄の男の子に、小さな男の子に邪魔されながら、主役になってもらう。このコンパクトカーを宣伝するのに、これ以上の方法はない……はず。

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シボレー・シェべット。今にもチューバが聴こえてきそうだ。

シトロエンGS

米国で販売されなかったGSを、なぜか西部劇のセットで宣伝している。

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シトロエンGS。お洒落なフランス車と荒々しいウェスタンの組み合わせ自体は悪くない。

シトロエン・ディアーヌ

ちょっと様子がおかしい。花束で人を脅す女性。奥の変なおじさん。そして、赤い樽を小脇に抱えた男。でも、彼らが楽しいならそれでいいだろう。

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シトロエン・ディアーヌ。楽しそうな光景だ。そっとしておいてあげよう。

シトロエン・メハリ

運転している男性の年齢と周りの様子から、これは運転免許試験の描写だと思われる。しかし、実際にはフランス警察官が試験を監督することはないので、この写真の中で何が起こっているかは誰にもわからない。

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シトロエン・メハリ。考えれば考えるほど謎が深まる意味深な写真。

フォード・アングリア

この写真は、スイス・アルプスの麓ではなく、ロンドン東部のダゲナム近くのスタジオで撮影されたものだというのが、AUTOCAR英国編集部の確固たる見解である。

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フォード・アングリア。雪山にしては、やけに薄着。

フォード・コンサル・クラシック

広告のアイデアが尽きて、酔っ払った勢いで撮影したのだろうか。

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フォード・コンサル・クラシック。このようなトランクの使い方は見たことがない。

フォード・コルチナ・エステート

新型車の耐荷重性をアピールするには、大型の船外機と美女を詰め込むのが一番だろう。

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フォード・コルチナ・エステート。船外機と女性が乗っても大丈夫。

ホンダ・シビック

釣り人「いま、世界最大の魚を釣ったところなんだが、みんな日本製の新型車にしか興味がないようだ」

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ホンダシビック。釣果を自慢したい男性の表情が良い。

プリムス・ベルベディア(1967年)

上司「いつものように、素敵なカップルを起用しよう。でも、一工夫を加えて、大きなピンクのボールを持たせるんだ」

部下「完璧です!」

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プリムス・ベルベディア。ピンクのバランスボールがいいアクセントに……なっているか?

ラーダ1200

「ねぇ、あなた、このサファリパークでピクニックしていいの?キリンだけじゃなくて、ライオンヒョウもうろついてるって何かで読んだ気がするんだけど?」

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ラーダ1200。なかなか勇気のある家族だ。

ラーダの服

時代遅れのソ連製フィアットに乗るのが好きなら、服もクルマに合わせてみてはどうだろうか?

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ラーダの服。ファッションの好みは人それぞれ

マツダ

新型車を宣伝するために、既成概念にとらわれないアイデアが求められたとき、考え出されたのが「興奮しすぎて寝ちゃってる人」だったのだろう。

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おそらくマツダRX-8の広告。現代アート的である。

モーリス・オックスフォード

最近、SUVなどによく見られる「ライフスタイル系」というマーケティング手法は、今に始まったものではないらしい。なんと、モーリス1950年代に採り入れている。オックスフォードは、明らかに登山に不向きだと思うのだが。

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モーリスオックスフォードセダンで登山とはなかなか乙なものだ。

オペル・マンタ

車名にあるように、海のテーマをきちんと消費者に伝えるには、モデルさんにセーラー服を着てもらうのが一番良かったのだろう。

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オペルマンタ。海のイメージを伝えたいらしい。

プジョー205

205のボンネットでタッパーのコレクションを披露する女性。これはもう、何を考えているのか全くわからない。

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プジョー205。えっと……なぜこんなことを?

ルノー・スポール・スパイダー

F1レースで大活躍していたルノーが、1996年に2ドアの軽量スポーツカーを発売。ピットクルーが賑やかに働いているのはそのためだ。

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ルノー・スポール・スパイダーピットクルーが一体何をしているのかは不明。

ルノー・シーニック・コンセプト

このコンセプトカーは、数年後にルノーの財政を救うことになる新型ミニバン、セニックの原型となったもの。しかし、外の親子はまったく相手にせず、巨大な懐中電灯を手に、動物の頭骨に夢中だ。

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ルノー・シーニック・コンセプト。直立不動のドライバーにも注目。

ルノー・トゥインゴ

ルノー・トゥインゴには、力士2人が乗っても大丈夫ですよ、ということだろうか。居心地が良いかどうかはご想像におまかせする。

ちなみに、2人が仲良く車中泊している写真もあった。気になる人は探してみてほしい。

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ルノー・トゥインゴ。確かに乗ることはできるんだろうけど……。

シムカ・ヴデット

いわゆる「ライフスタイル系」のマーケティングだが、ひねりが効いている。シムカには、登山やサーフィンのようなお遊びの要素はない。このクルマは、毎朝牛乳を買いに行くためのものなのだ。

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シムカ・ヴデット。またライフスタイル系の広告かと思いきや、生真面目な内容だった。

スコダ1000MB

幸せそうなカップル。でも、リアエンジンの1000MBの後ろで、2人の男性が何をしているのか気になって仕方がない。

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スコダ1000MB。後ろの2人は何をしているの?

トライアンフ・ヘラルド

シチュエーションがよくわからないのだが、家族連れに扮した麻薬の密輸犯とでも疑われているのだろうか。だとすれば、女の子が持っている白い箱は速やかに隠したほうがいい。

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取り調べ(?)を受けるトライアンフ・ヘラルド。

トライアンフ・スタッグ

新しいスポーツカーの宣伝に、中世ヨーロッパの馬上槍試合(再現)を使っている。

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トライアンフ・スタッグ。ちょっと分かりづらいが、中世の馬上槍試合を再現しようとしている。

ボルボ・アマゾン

スウェーデンの会社から新車が発表されるとのことで、帽子と傘を持った英国紳士は興味津々な様子。

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英国紳士に取り囲まれるボルボアマゾン

フォルクスワーゲン181

もともとは西ドイツ軍のためにつくられた軍用車の民間バージョン。この写真が当時のものであることは承知しているが、このような乗り方が許されていたことに驚きを隠せない。

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フォルクスワーゲン181。いろいろと寛容だった時代の広告。

フォルクスワーゲン・ビートル

長年にわたり販売が続けられてきたビートル。ついに広告のネタが尽きてしまったのだろう。大事な商品がひっくり返った写真を使うことに、誰も異議を唱えなかったようだ。

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ひっくり返ったフォルクスワーゲンビートル

思わず目を引かれる自動車広告 36選 奇妙奇天烈なプロモーション画像集