7日、天皇杯準々決勝の京都サンガF.C.vs東京ヴェルディが味の素スタジアムで行われ、2-1で勝利した京都が準決勝進出を決めた。
清水エスパルスや栃木SCを退けて8強入りの京都は11年ぶりのベスト4進出を目指した。直近のリーグ戦でヴィッセル神戸との残留争い直接対決を制して7試合ぶりの白星を手にしたチームは、その試合から長井を除く先発10人を変更。パウリーニョとアラン・カリウスのデビュー組を始め、GKマイケル・ウッド、メンデス、イスマイラの外国籍選手や宮吉、福岡らを起用した。
一方、川崎フロンターレ、ジュビロ磐田とJ1勢を連破し、今大会の台風の目となる東京Vは、優勝した2004年以来、18年ぶりのベスト4進出を狙った。直近のツエーゲン金沢戦に敗れて今季ワーストの3連敗中のチームは、過密日程が続く中でターンオーバーを敢行。佐藤凌我、奈良輪とJ1勢撃破の立役者がスタメンに名を連ねた。
試合は共に立ち上がりのタイミングで背後への抜け出しからチャンスを作り合う。以降は東京Vが後方からボールを動かしつつ、2トップの背後への抜け出しを軸にやや優勢に試合を進める。19分にはボックス手前から味方の落としに反応した古巣対戦の加藤弘堅が得意のブレ球ミドルを枠に飛ばすが、これはGKウッドの好守に遭う。
一方、前線からのプレスでショートカンターの形からチャンスを窺う京都は、デビュー戦となったブラジル人アタッカーが決定的な仕事を果たした。21分、相手ボックス手前でメンデスからのグラウンダーのパスを収めたパウリーニョがそのままボックス内で細かい切り返しでDF2人を滑らせて右足を一閃。これがゴール中央に決まった。
以降はビハインドを追う東京Vがボールを握って攻勢を強め、京都が堅守速攻で応戦する形の攻防が続く。東京Vは右サイドを起点にコンビネーションからクロスやフィニッシュまで持ち込むが、最後の精度を欠く。稲見のニア下を狙ったシュートも相手GKの好守に阻まれた。
結局、京都の1点リードで折り返した試合は、互いにハーフタイムで交代カードを切って流れに変化を加えていく。前半に続き互角の入りとなったが、再び京都が決定力を発揮する。
53分、ハーフウェイライン付近の右サイドでイスマイラが強靭なフィジカルでボールをキープ。サポートに入った宮吉が縦に運びながら逆サイドでフリーのパウリーニョへ冷静に展開。パウリーニョはDF2枚に寄せ切られる前にボックス左からファーポストを狙った見事な右足のコントロールシュートを流し込み、貴重な追加点をもたらした。
これで厳しくなった東京Vは、阪野、山口を同時投入。サイドからのクロスを、より強調した攻撃のアプローチに変更する。対する京都は殊勲のパウリーニョを下げて山田を投入。ハーフタイム明けに投入した中野を含め、途中投入の選手がアグレッシブなプレスで東京Vのボール回しに強い制限をかけて流れを渡さない。
後半半ば以降は失うものがないJ2チームが、リスクを冒して前に出て相手陣内でハーフコートゲームを展開。左サイドの山口からの鋭いクロス、石浦のミドルシュートなどで京都ゴールへ迫る。だが、京都も多くの選手が足を攣る場面が見受けられる中、最後の局面ではしっかりと身体を張ってゴールを守る。
それでも、ここまでJ1勢を連破してきた東京Vは土壇場の90分に1点を返す。続けて得たCKの二次攻撃から右サイドの連携で森田がボックス右ゴールライン際からプルバック。これでゴール前で混戦を生むと、最後は谷口が右足アウトを使ったシュートを左隅に流し込む。
これで一気に勝負が分からなくなると、後半のアディショナルタイムは6分。東京Vは決死のパワープレーでゴールをこじ開けにかかる。その中で谷口に再び見せ場が訪れるが、枠の左隅を捉えた渾身のヘディングシュートは相手DFのゴールカバーに阻まれた。
最後まで気迫の攻めを続けた東京Vだが、京都もJ1の意地で2点目は許さず。パウリーニョの2ゴールを守り切った京都が東京Vの進撃をストップした。
なお、ベスト4進出の京都は10月5日に行われる準決勝でサンフレッチェ広島と対戦する。
京都サンガF.C. 2-1 東京ヴェルディ
【京都】
パウリーニョ(前21、後8)
【東京V】
谷口栄斗(後45)
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