全世界に熱狂的なファンを持つ「スター・ウォーズ」シリーズ。ジョージ・ルーカスが生み出したこのシリーズは、今では正編の映画9作品をはじめ、スピンオフ映画、オリジナルドラマ、アニメーション作品など、さまざまな形態でその世界観を広げている。そんな「スター・ウォーズ」のオリジナルドラマ最新作「キャシアン・アンドー」の独占配信が9月21日(水)からディズニープラスでスタート。本作はスピンオフ映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に登場したキャラクター、キャシアン・アンドーがいかにして反乱軍の戦士となったのかが描かれたものでファンなら見逃せない作品となっている。

【動画】期待高まる!「キャシアン・アンドー」本予告

しかし、「スター・ウォーズ」初心者がいきなり本作を見るとなると、それはなかなか難しいところだし、多岐にわたる作品群の中で何から見ればいいのか分からないという人も多いハズ。そこで、ここでは「キャシアン・アンドー」を見る前に、また「スター・ウォーズ」の世界観を知るのに“これを見ておけば”という3作品を紹介する。(以下、過去作のネタバレを含みます)

■王道ストーリーにワクワク

まずは、すべての始まりであり、原点である映画「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」(1977年)。辺境の惑星で「いつかは宇宙へ」という青雲の志を抱きつつ叔父の農園を手伝っているという現状を諦観していた青年、ルーク・スカイウォーカーがジェダイ騎士のオビ=ワン・ケノービと出会い反乱軍の戦いに加わることに。レイア姫ハン・ソロといった仲間たちと共に、ダース・ベイダーのいる銀河帝国に立ち向かう。

普通の青年が伝説の英雄と出会い冒険の旅に出て、その過程でできた仲間たちと邪悪な存在を倒すという王道ストーリーは見ていてワクワクしっ放し。起承転結もハッキリしていて、“これぞスペースオペラ!”な世界観を満喫できる。「スター・ウォーズ」は見ていなくても知っているというくらい悪役キャラクターの代表格となったダース・ベイダーの存在感も本作で存分に味わえる。

■「キャシアン・アンドー」の原点となるスピンオフ映画

続いては、映画エピソード4の直前を描いた前日譚で「キャシアン・アンドー」の原点となるスピンオフ映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(2016年)。エピソード4で惑星をも破壊する力を持った帝国軍の最強兵器として登場するデス・スターの設計図(それがエピソード4で重要アイテムとなる)を集められた戦士たちが奪取する姿が描かれていく。主人公のジンをはじめ、ジェダイ騎士のような特別な力を持った者ではない“名もなき戦士たち”が仲間たちの犠牲を乗り越えながら命懸けで行動していくという展開がとにかく熱い。本作を「『スター・ウォーズ』映画の最高傑作!」という人が多いのも納得の1本だ。終盤でダース・ベイダーが、そして“あの人”が登場するのもポイント。もちろん、本作は独立した作品としても充分楽しめるが、エピソード4を見てから見るとラストシーンがより胸アツになること間違いなし。

■「スター・ウォーズ」初のオリジナルドラマ

もう1本オススメしたいのがディズニープラスで独占配信中のオリジナルドラマ「マンダロリアン」(2019、2020年)。物語の舞台は映画エピソード6のその後。孤高の賞金稼ぎであるマンダロリアンと、あることから共に旅することになった強いフォースを持つ孤児の赤ちゃん、ザ・チャイルド(後に名前はグローグと判明)が、ザ・チャイルドの力を狙う連中から逃げながら賞金稼ぎの仕事をこなしていくというロードムービー的な作品である。

ザ・チャイルドヨーダと同種族であり、その容姿から“ベビーヨーダ”と呼ばれているのだが、表情や動きがとにかく愛くるしくて萌えること必至。そんなベビーヨーダと接していく中で父性が芽生えてくるマンダロリアンとの関係がまたいい。次の展開が気になって全2シーズン、16話という話数もまったく苦にならず、最初のオリジナルドラマとして見事な成功作となっている。シーズン2後半ではルーク・スカイウォーカーも登場して無双ぶりを見せてくれるのもファンとしてはうれしいところ。

なお、作品本編だけでなく「ディズニー・ギャラリー/スター・ウォーズマンダロリアン」というメイキングもシーズン1が6話、シーズン2が2話の全8話で配信中。従来のパッケージ作品で言うところの特典映像のようなイメージで、製作総指揮のジョン・ファブローをホスト役として、デーブ・フィローニら監督・スタッフやキャストが円卓を囲んだ座談会形式でのトークを中心に、作品の裏側をたっぷりと紹介している。

■いろいろな角度で楽しめる

以上、この3作品はファンからの支持も高いので押さえておけば問題ないはず。そして例えば、エピソード4を見て引き続きルークたちの物語を見たくなったらエピソード5&6、ダース・ベイダーがどうして生まれたのかを知りたくなったらエピソード1〜3、ルークたちのその後が知りたくなったらエピソード7〜9を、という感じに世界観を広げていくのもあり。エピソード4にてルークが出会ったジェダイ騎士のオビ=ワン・ケノービが主人公で、物語内の時系列的に「新三部作(エピソード1~3)」と「旧三部作(エピソード4~6」の間を埋めた作品である「オビ=ワン・ケノービ」も全6話のオリジナルドラマシリーズとして配信中だ。「マンダロリアン」同様に、「オビ=ワン・ケノービ:帰ってきたジェダイ」という名のメイキングも9月8日に配信された。

ディズニープラスならジャンル別、時系列順、推しキャラが出ている作品だけを、といういろんな見方もできるので最新オリジナルドラマで「スター・ウォーズ」にハマったらぜひその他の作品にも手を出してみてほしい。

◆文=斉藤俊彦

「キャシアン・アンドー」初回3話は、9月21日(水)よりディズニープラスで独占配信/(C) 2022 Lucasfilm Ltd.