87年前の9月15日北海道の国鉄ローカル線「興浜南線」が開業しました。

雄武の念願の鉄道

今から87年前の1935(昭和10)年9月15日。興部と雄武をむすぶ北海道の国鉄ローカル線「興浜南線」19.9kmが開業しました。

興部(おこっぺ)と浜頓別をむすぶ路線として、計画上は部分開業となりました。翌年には浜頓別から「興浜北線」30.4kmが開業しています。北海道の北東部、オホーツク海沿岸の鉄道空白地帯を埋めるために、建設が行われました。ひたすらオホーツク海の海岸線近くを走ることから、絶景路線のひとつとしてファンにも人気がありました。

ところで、そもそも起終点である「興部駅」も「浜頓別駅」も、現在は存在しません。興部駅は名寄本線(名寄~遠軽)、浜頓別駅は天北線(南稚内~音威子府)から分岐する駅で、両線とも1989(平成元)年に廃止となっています。

北線と南線をつなぐ延伸工事は戦前からストップしたままでしたが、1960(昭和35)年に再開。しかし沿線人口の減少などを受け、営業成績は徐々に下降し、1981(昭和56)年に廃止が決定。1985(昭和60)年7月に北線と同時期に廃止となりました。

最盛期は1万人以上の人口を有した雄武町。名寄本線へのアクセス路線として、通勤通学の時間帯は盛況を見せたといいます。1967年10月時点のダイヤでは、通し列車が8往復。平日夕方に、雄武~沢木の区間列車も走っていました。名寄本線に直通する列車はありませんでした。1978年10月のダイヤでは、列車は6往復に減っています。

興浜南線の廃止後、北紋バスが代替バスを運行開始。現在は5往復が、約40分で興部と雄武をむすんでいます。

興部駅跡に設置された、気動車を活用した簡易宿泊施設(画像:写真AC)。