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日本気象協会はきょう15日、台風14号に伴う今後の大雨と災害の見通しを発表しました。九州や四国、紀伊半島など南東斜面で雨量が多くなる予想で、特に宮崎県鹿児島県では、過去に観測された雨量を上回る可能性があります。

西日本中心に大雨 宮崎・鹿児島では48時間雨量600ミリ超の所も

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きのう(14日)発生した台風14号は、きょう(15日)午後3時現在、日本の南にあって、1時間におよそ15キロの速さで西へ進んでいます。中心気圧は975hPa、中心付近の最大風速は30m/sです。

このあと発達しながら西へ進み、16日(金)ごろから進路が北向きに変わる見込みです。18日(日)頃には南西諸島に接近し、19日(月)には九州に接近または上陸する恐れがあります。西日本の広い範囲で大雨や暴風に警戒が必要です。その後、進路を東向きに変えて20日(火)にかけて東日本や北日本に影響する可能性があります。

日本気象協会独自の「JWAアンサンブル雨量予測」では、台風14号の影響により、19日(月)にかけての48時間雨量の最大値が九州地方の広い範囲と四国地方紀伊半島などで400㎜を超える予想となっています。台風が近づく18日~19日にかけては九州~本州の太平洋側に暖かく湿った空気が流れ込みやすく、大気の状態が不安定になる見込みです。また、台風に向かって東~南東の風が吹き込む形となるため、山地の南東斜面で特に雨雲が発達しやすくなるでしょう。宮崎県鹿児島県の山地では、台風本体の雨雲がもたらす大雨により、48時間雨量が600㎜を超える予想です。解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値を上回る(既往最大比130%超)可能性があります(注)。大雨による災害が発生する可能性が高まりますので、厳重な警戒が必要です。

(注)既往最大値の集計期間は2006年5月以降のため、2005年台風第14号の大雨は含まれていないことに留意してください。

日本列島 広く風が強まるおそれ 暴風に警戒を

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また、台風接近により暴風にも警戒が必要です。瞬間風速30m/s以上となる確率は、九州地方では18日(日)がピークとなっています。また、西日本の広い範囲で19日(月)日中にかけて暴風の確率が高くなっています。19日(月)以降は北陸地方や、東北の沿岸部でも確率が高くなっています。暴風への備えは早めに済ませるようにしてください。また、交通機関の乱れも予想されます。連休中はこまめに気象情報や交通情報を確認するようにしてください。

2005年台風14号に類似

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今回の台風14号は、特に宮崎県鹿児島県を中心に大雨が予想されています。台風に向かって東~南東の風が吹き込んで、山地の南東斜面で特に雨雲が発達しやすくなるためです。

宮崎県を中心に大雨となった台風として2005年台風14号があります。この台風は広い暴風域を維持したまま九州に上陸しました。台風の進行速度が比較的遅く長期間にわたって暴風、高波、大雨が継続しました。3日間の総雨量は1000mmを超え、大規模な土石流も発生しました。

今回の台風14号の進路は、2005年台風14号のコースと類似する可能性があり警戒が必要です。

台風が近づく前の対策

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台風の接を前に、大雨に備えるポイントは、次の3つです。
1つめは、水害に備えて、雨どいや排水溝、側溝を掃除し、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

2つめは、浸水による被害を防ぐため、家財道具や家電製品、食料品などは、可能な限り、高い所や2階以上へ移動させておくと良いでしょう。押し入れの下の段に入っているものは、上の段に移しておくだけでも、被害を小さくできます。

3つめは、電源のコンセントは抜いておくと良いでしょう。電源のコンセントが水につかると、漏電やショート、感電の恐れがあります。

さらに、暴風に備えて、屋外に置かれている、飛ばされやすいもの(物干し竿、鉢植え、ゴミ箱など)は、しっかり固定するか、室内にしまうなどの対策をしましょう。
また、暴風で飛ばされてきたもので、窓ガラスが割れないよう、窓は鍵をかけ、雨戸があれば閉めましょう。窓ガラスにガムテープを貼ると、風圧に耐えられるようになります。

いずれも、台風が近づいてから備えるのではなく、台風情報を確認して、早めに対策を行ってください。

台風14号 西日本では過去最多の降水量となる所も 48時間で600ミリ超の大雨か