Appleによって先週発表された、新型スマートフォン『iPhone 14』シリーズ。しかしその存在意義に疑問を投げかける声が、なんとApple共同創業者の娘からあがっているのだ。

(参考:【写真】イブ・ジョブズが公開したアナログな愛用品

 iPhone 14に鋭いツッコミを入れたのは、故スティーブ・ジョブズの末娘ことイヴ・ジョブズだ。彼女はInstagramに、「今日のアップルの発表後、iPhone 13からiPhone 14にアップグレードする私」として、着ているのと同じ柄のシャツを持つ男性のミーム画像を投稿。これは、明らかにiPhone 14がiPhone 13とほとんど変わらないことを揶揄している。

 今回発表されたiPhone 14は6.1インチディスプレイを搭載し、本体プロセッサには「A1 5Bionic」を搭載。背面にはデュアルカメラ、フロントには「ノッチ」にセルフィーカメラを配置している。

 1つ前のモデルであるiPhone 13との違いは、衛星通信機能への対応だ。iPhone 14では緊急時に衛星通信に接続しSOSメッセージを送ることで、携帯電波がない場所からでも救援を求めることができる。さらに「衝突事故検出」として自動車による事故を検出し、緊急サービスに自動で連絡する機能も備えている。

  一方で、プロセッサやカメラスペック、そして本体デザインはiPhone 14とiPhone 13ではほぼ違いはない。このことから、iPhone 13のユーザーはiPhone 14へと乗り換える意義をあまり見いだせないのも事実だ。

 イヴのInstagramの投稿は約50万人のフォロワーにシェアされた後、彼女の手によって削除された。その背景に、投稿の反響の大きさを懸念した判断があったのか、あるいはなんらかの抗議があったのかは現時点では不明だ。

 イヴは、スティーブ・ジョブズとローレン・パウエルジョブズの娘として1998年に生まれ、2021年にはスタンフォード大学を卒業。馬術競技で2020年東京オリンピックの出場権を獲得(出場は辞退)。さらに現在はモデルとしても活躍するなど、才色兼備な人物として知られている。

 先日『VOGUE JAPAN』によって公開された、著名人がバッグの中身を公開する「IN THE BAG」では、イブは気さくにその中身を教えてくれた。メモに即興でカメラを描いたものの、「下手だから見せられない」と話す彼女は、とても気さくな人物のように映る。コメント欄ではApple製品の紹介への期待が高まっていたが、残念ながらガジェットの登場はなかった。代わりにポラロイドカメラで撮影した写真を大量にカバンに入れているというアナログな一面も見られ、今回のミーム化したiPhone 14への鋭いツッコミも、最新だからといって自分にとって最適なわけではないということを暗示していたかのように思える。

 テック業界の数々のイノベーションをもたらしたジョブズの娘として、そして自身もファッションモデルとしてキャリアをスタートしたイヴ・ジョブズ。彼女がファッション業界や、あるいはテック業界でどのような活躍をするのかを、見守りたい。

(文=塚本直樹)

イブ・ジョブズのインスタグラムより