杉原邦生による演出、木村達成、須賀健太、早見あかり安蘭けいらが出演する舞台『血の婚礼』が、9月15日に東京・Bunkamuraシアターコクーンで初日を迎えた。

スペインの伝説的劇作家、フェデリコガルシーア・ロルカによる最高傑作とも謳われる官能的な愛の悲劇『血の婚礼』。本作は、スペインアンダルシア地方で実際に起きた事件を元に1932年に執筆され、世界中で上演が繰り返されている名作戯曲。この古典とも呼べる作品を、独自の感性で観客に新鮮な驚きを与える気鋭の演出家・杉原邦生が、全く新しい『血の婚礼』を創り上げた。

花婿:須賀健太
母親:安蘭けい

舞台美術家でもある杉原が、トラフ建築設計事務所と共に創り上げた舞台美術がこの作品の独創性を表す。舞台上に敷き詰められたスペインを思わせる赤土と、頭上の照明機材のアンバランスさが印象的。二幕ではそれがガラリと変わる。

レオナルド:木村達成
花嫁:早見あかり

スペイン最高の詩人とも言われたロルカの戯曲は韻文…詩的な言葉の連続となるセリフが特徴的だが、それを時に歌で、時にコンテンポラリーダンスに合わせ、はたまたじっくりと言葉だけで聞かせるなど、様々な手法で熱量高く言葉を届ける。

左から)レオナルドの妻:南沢奈央レオナルド:木村達成

望まぬ結婚をし、過去に愛した女性を忘れられず葛藤するレオナルドは、ミュージカルの新たなスターとして大作の主演を務め、映像作品でもその実力を魅せる木村達成。今までにない色気を漂わせ、愛に苦しむ男を演じる。

結婚式当日に、花嫁を奪われレオナルドと対峙することになる“花婿”は、数々の映像作品で活躍しながらその演技力を舞台でも発揮している須賀健太。心優しい息子が狂気へと走る姿が印象的だ。

早見あかりは、抑圧から逃れようと大胆な決断をする“花嫁”を神々しい力強さで演じる。そして、過去に囚われ息子を縛る“花婿の母親”の安蘭けいは、この世界の加害者でもあり被害者でもある女性を体現し、もう一人の主役とも言える。

母親役:安蘭けい
中央左から)安蘭けい、須賀健太

“愛”に対する力強いエネルギーと、抑圧された環境から抜け出そうとする葛藤が感じられる『血の婚礼』。“男らしさ・女らしさ”という因習に縛られたがゆえに悲劇を招く様子は、 アイデンティティを発信していく時代へと変化の真っ只中にある現代の私たちに、新鮮な発見を与えてくれる作品となりそうだ。

左から)花婿:須賀健太、花嫁:早見あかり

『血の婚礼』は、10月2日までBunkamuraシアターコクーンで上演後、10月15日・16日に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される。

撮影:宮川舞子、サギサカユウマ

最終舞台通し稽古を終えた演出家・キャストコメント

■演出:杉原邦生
ゲネプロを観ていて、 自分の中で何かが滾(たぎ)っていく感覚を覚えました。素晴らしい俳優とスタッフによって劇場にいま立ち現れた『血の婚礼』の世界は、遠いようで確かに目の前にあり、わからないようで確実に自分の中にもある。そんな作品になっていると思います。人と人とがどうしようもなく生身でぶつかり合う様を、ぜひ劇場でともに体感していただきたいです。皆さまのご来場をお待ちしております!

■木村達成(レオナルド役)
杉原邦生大将の下、約5週間の稽古を経て、つい先ほど最終舞台稽古を無事に終えることができました。
みなさまに、美しく、よごれた、けがれのない魂を堪能していただきたいと心から願っています。
劇場でお待ちしてますね。

■須賀健太(花婿役)
まず、無事初日を迎えられる事をなにより嬉しく思っています。
この作品の根本にあるのは、人間の持つ様々な感情や、人と人が作用し合うことの面白味だと感じています。
この戯曲が書かれた時代から変わらず人間の奥底にある気持ちの高まりを客観的に感じて頂けたら嬉しいです。
大変な状況が続いていますが、ぜひ劇場にお越しください。

早見あかり(花嫁役)
まずは無事にゲネプロが終わり、明日の初日を迎えられることに一安心です。こんなに悩んで考えて、台本が見辛くなるほど文字を書き込んだのは初めてでした。その度に助けてくれた杉原さん、カンパニーの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。正直お客さまにどう届くか、楽しみであり少し不安です。でもあとはやるしかない。とにかく観に来てください。全力のエネルギーをお届けします。

安蘭けい(母親役)
劇場入りして、衣裳を着てセットを組んでいる舞台に立つと、緊張感と集中力が高まり、稽古場では出来なかったことがゲネプロでできました。初日に向けてとても手答えを感じています。
『血の婚礼』という作品の、また新しい形の舞台が出来上がっていると思うので、ぜひ期待を膨らませて劇場に来て頂きたいです。
その期待に応えられるような舞台が出来てると思いますので、楽しみにしてください。

<公演情報>
舞台『血の婚礼』

舞台『血の婚礼』ビジュアル

【東京公演】
期間:9月15日(木)~10月2日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン

【大阪公演】
期間:10月15日(土)・16日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【スタッフ】
原作:フェデリコガルシーア・ロルカ
翻訳:田尻陽一
演出:杉原邦生
音楽:角銅真実、古川麦

【キャスト】
木村達成
須賀健太
早見あかり

南沢奈央
吉見一豊
内田淳子
大西多摩恵
出口稚子
皆藤空良
澤田理央 / 脇山桃寧(Wキャスト)

安蘭けい

【演奏】
古川
HAMA
巌裕美子

舞台『血の婚礼』ダイジェスト映像

<東京公演イベント情報>
■シークレットムービープレゼント
対象日程(終了分は割愛)
9月21日(水) 13:30
9月21日(水) 18:30
9月22日(木) 13:30

内容:稽古や舞台裏などここでしか見られないキャストの貴重な様子など

■アフタートークイベント
対象日程
9月16日(金) 13:30(登壇者:木村達成、須賀健太、安蘭けい
9月22日(木) 13:30(登壇者:木村達成、須賀健太、南沢奈央
9月24日(土) 17:30(登壇者:木村達成、須賀健太、杉原邦生(演出))★追加
9月27日(火) 13:30(登壇者:木村達成、須賀健太、早見あかり

詳細はこちら:
https://horipro-stage.jp/event/chinokonrei20220506/

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関連リンク

公式HP:
https://horipro-stage.jp/stage/chinokonrei2022/

Twitter:
https://twitter.com/chinokonrei

左から)花嫁:早見あかり、 レオナルド:木村達成