16日、明治安田生命J1リーグ第30節のサガン鳥栖vs鹿島アントラーズ駅前不動産スタジアムで行われ、1-1のドロー決着となった。

7位の鳥栖は前節のセレッソ大阪戦で黒星。対する5位の鹿島は京都サンガF.C.引き分け、鳥栖戦も含めた残り5試合で優勝の望みが限りなく薄いものに。それでも来季のACL出場権確保へ向け、3位以内は十分射程なだけに、是が非でもこの一戦で勝ち点3を積み上げたいところだ。

カシマサッカースタジアムでの前回対戦は後半アディショナルタイムだけで3ゴールが入り乱れる展開となり、最終スコア4-4という壮絶ドローを演じた両者。このゲームの最初の決定機はクラブ創設25周年の記念ユニフォームを着用したホームの鳥栖に生まれる。

8分、左サイドでのパス交換からジエゴがクロス。このボールは鹿島DFに回収されるが、岩崎が猛然とプレッシャーをかけ、こぼれ球に菊地が左足を一閃。さらに、鹿島GKが弾いたボールを長沼が右足で狙う。どちらも枠を捉えていたが、最後は鳥栖DFの決死のブロックに阻まれた。

さらに23分、敵陣で鹿島の軽率なビルドアップミスを拾った岩崎がペナルティアーク手前から強烈な右足ミドルを放つ。ネット左隅を狙った見事なシュートだったが、この一戦がJリーグ初スタメンというGK早川のビッグセーブに遭う。

そんな鳥栖の待望の先制点は34分。敵陣でジエゴのスローインを受けた福田がペナルティエリア内の宮代へワンタッチパス。宮代は鋭い切り返しで鹿島DF2人をかわし、ゴール前左寄りの位置から左足を力一杯振り抜き、強烈な一撃をファーネットに突き刺した。

先手を取った鳥栖はなおも攻め立てる。41分、右サイドの深い位置から長沼がゴール前へクロスを送り、ニアに走り込んだ本田がヘディングシュートを放つ。このシーンは惜しくも右ポストに阻まれ、追加点とはならなかった。

1点リードで試合を折り返した鳥栖は後半立ち上がりも幾度となくゴール前に接近。56分にはペナルティエリア内で岩崎からマイナスのパスを受けた菊地が左足ダイレクトでシュートを放つも、クロスバーを越える。一方の鹿島は防戦一方の展開が続いていたが、突如として同点弾が生まれる。

58分、鹿島はペナルティエリア手前右でボールをキープしたディエゴ・ピトゥカが右サイドの広瀬に展開。広瀬が緩やかな軌道のクロスをゴール前へ送ると、ファーサイドを走り込んだアルトゥール・カイキが鳥栖DFと競り合いながらも力強いヘディング弾をゴールに叩き込んだ。

スコアを振り出しに戻した鹿島は勢いそのままに逆転を狙う。68分、70分と立て続けにゴール前でFKのチャンスを得たほか、前線からのプレッシングも効果を発揮し、鳥栖のビルドアップを遮断。75分には仲間がネットを揺らしたが、ここは残念ながらオフサイドの判定が下される。

87分には古巣対戦の樋口が鳥栖陣内のセンターサークル付近でボールを奪取し、深い位置までドリブルで持ち運ぶ。最後はペナルティエリア内で左足を振り抜いたが、シュートは鳥栖GK朴一圭に正面でキャッチされる。

結局、両チームとも追加点を奪うには至らず、1-1のまま試合終了のホイッスルを迎えた。この結果、鳥栖はJ1で2試合未勝利、鹿島は5試合未勝利に。どちらも上位との勝ち点差を詰めることはできなかった。

サガン鳥栖 1-1 鹿島アントラーズ
【鳥栖】
宮代大聖(前34)
【鹿島】
アルトゥール・カイキ(後14)