音楽ストリーミングサービス「Spotify」と沖縄・沖縄市の情報ポータルサイト「KOZA WEB」のコラボレーションによるカンファレンスイベント「Spotify Workshop Party」が7月7日、沖縄・ミュージックタウン音市場にて開催された。

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2006年にスウェーデンで創業されたSpotifyは2008年からサービスを開始し、現在は世界57カ国で展開中。有料会員のみならず無料でも楽しめるサービスも用意されており、独自の高音質音源、再生までのスピードの速さなどが海外で高く評価されている。

日本上陸が熱望される中、日本で突如行われたこの企画は“音楽のまち”を謳う沖縄市とKOZA WEBが主体となり実現したもの。台風8号が急接近中にも関わらず、当日は大勢の音楽関係者や地元ミュージシャンが出席した。沖縄市長からのメッセージに続いて登壇したSpotify Japan代表ハネス・グレーは、Spotifyの歴史から現在の音楽シーンにおけるストリーミングサービスのあり方までを説明しつつ、Spotifyがほかのサービスとどのように異なるのかをアピールしていった。続いて登壇したSpotify Japanレーベル担当の野本晶は、よりアーティスト視点でSpotifyの活用方法を解説。ロードやデヴィッド・ゲッタといった海外アーティストの手法を例に挙げて、わかりやすく説明していった。

そしてカンファレンス終盤には日本からも使用可能なSpotifyプレミアムアカウントが無料配布されることがアナウンス。さらに沖縄音楽出版を通じてSpotifyへの楽曲登録を、1000曲まで無料受付することも合わせて発表された。この無料受付は8月末まで実施され、この機会を通じて登録された楽曲が海外でもストリーミング配信されることになる。アーティスト側には再生回数に応じた割合で支払いが行われ、合計として2013年単年で500億円(累計1000億円)を払い出せる規模となっているとのこと。

その後はSpotify Japanスタッフへの質疑応答も行われた。その質問内容は「YouTubeとはどこが違うのか」といた初歩的なものから「日本でのローンチはいつ頃を予定しているか」などサービスについての具体的な内容についてまでさまざまなもので、日本の音楽関係者やアーティストの関心の高さを伺わせた。

質疑応答のあとはCivilian Skunk、AWICH、神谷千尋といった沖縄在住アーティスト3組がライブパフォーマンスを披露。沖縄に古くから根付いたルーツミュージックを取り入れつつも、独自のスタイルを確立させたジャンルの異なる3組は多くの観客から歓迎され、日本人スタッフの「こういった沖縄ならではの音楽が、Spotifyを通じて世界に羽ばたくことを願っている」という言葉を最後に、イベントは幕を下ろした。

「Spotify Workshop Party」の様子。