YASSAI STAGEトップバッターを務めた倖田來未は大胆なスリットの入った黒い衣装にサングラス姿で登場し、オーディエンスの度肝を抜く。1曲目「キューティーハニー」、そして「IS THIS TRAP?」「DO ME」でパワフルな歌とダンスを届けたあと、倖田はMCで「ひさびさですね、こんな朝から歌うの。私って夜の女じゃないですか」「想像以上に風が強くて。思ったよりも(衣装の)お尻が出ちゃいまして、すみません(笑)」と直前のパフォーマンスとのギャップを見せて観客の心を一気に惹きつけた。「愛のうた」の優しくも力強いボーカルを届けたあとは「め組のひと」でカメラや観客に向けてポーズを決める。最後は「BE MY BABY」を熱唱し、「最後まで楽しんでいって!」とオーディエンスに笑顔で手を振った。
MOSSAI STAGEでスカのリズムを刻んだのはHEY-SMITH。ライブ定番曲「Endless Sorrow」で一気にオーディエンスのテンションを引き上げ、猪狩秀平(G, Vo)とYUJI(Vo, B)のボーカルのかけ合いが印象的な「2nd Youth」でさらに熱気を上昇させる。会場を見渡した猪狩は「さすが氣志團万博やな。柄悪いやついっぱいおるやんけ。俺はけっこうそういうの好きやで!」とカラッとした口調で言ってのける。そしてHEY-SMITHは「We sing our song」でヘッドバンギングを巻き起こし、最後に高速ショートチューン「Come back my dog」を叩き込んでアクトを終えた。
全員鮮やかな黄色のスーツという出立ちでステージを彩ったのは、「氣志團万博」常連の東京スカパラダイスオーケストラ。サングラスをかけた谷中敦(Baritone Sax)は「DOWN BEAT STOMP」で声を張り上げたのち、MCで昨日マネージャーから「氣志團万博」の開催可否についての連絡を受けた際、心中穏やかではなかったと明かし、「俺、どれだけ氣志團万博好きなんだろうと思ったよ」と笑った。茂木欣一(Dr)が「ピリオドの向こう側を信じている人に捧げたい曲」と前置きをしてプレイした「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。」を経て、スカパラは盛り上がりに拍車をかけるように氣志團の「One Night Carnival」をカバー。スカパラメンバーと同じく黄色の衣装に身を包んだ綾小路と早乙女が参加し、2組はにぎやかにコラボレーションして観客を熱狂させた。
今回が初の「万博」会場での出演となった女王蜂は夜のMOSSAI STAGEに登場。アヴちゃん(Vo)はサングラスをかけて現れ、「KING BITCH」を迫力満点に歌い上げた。「Are you ready? 氣志團万博!」というアヴちゃんの言葉に続いては「BL」「火炎」を連投。やしちゃん(B)の重厚なベースラインに乗せてオーディエンスの手のひらやジュリ扇が妖しく揺れた。「ヴィーナス」ではひばりくん(G)のギターソロが観客をさらなる狂乱状態に導く。最後にアヴちゃんは「また私たちの単独公演で会いましょう。氣志團ありがとう!」と挨拶し、「Introduction」を熱唱。MCなしのストイックなライブで観客に鮮烈な印象を残した。
鈴虫が鳴く頃に姿を見せたのは、今年いっぱいで歌手活動を休養することを発表している氷川きよし。「氣志團万博」初出演となる氷川は、1曲目の「雷鳴」で夜に映えるきらびやかな衣装をひらめかせながらソウルフルに歌い上げ、オーディエンスの視線を釘付けに。続いて「氷川きよし業をやっていましたkiinaと申します」という自己紹介を経て、“kiina”は自身が作詞、木根尚登(TM NETWORK)が作曲した楽曲「You are you」の歌唱を通して観客にメッセージを届けた。そしてゲストとして綾小路を迎え入れ、2人は「きよしのズンドコ節」で息ぴったりに声を重ねる。キメポーズもしっかりそろい「遊ぼうね」「あとでLINE送るね」と親しげなやりとりをして綾小路を送り出したあと、kiinaは最後にヒットソング「限界突破×サバイバー」でオーディエンスを熱狂させてパフォーマンスを終えた。
3日間にわたった「氣志團万博2022」の大トリを務めたのはオーガナイザーの氣志團。1曲目からいきなり「One Night Carnival」を披露した彼らは、熱い演奏で観客の視線に応える。「NIGHT THE KNIGHTS」「スパトニック・シティ・ブビブビ」と硬派なナンバーを連投したあと、綾小路はコロナ禍や台風の接近という危機を乗り越えて全日程を完遂したことを「自分自身も半信半疑だったけど、無事3日間開催できました。本当にありがとう!」と喜び、今年行われた全国の夏フェスのバトンをつなぎ、秋フェスシーズンに向けて渡したことに安堵の表情を浮かべた。
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