美術家・長坂真護による初の美術館での個展「Still A“BLACK”STAR」が、東京・上野の上野の森美術館にて開催中。会期は、2022年9月10日(土)〜11月6日(日)まで。

小誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』も早くから注目してきた異色の才能、長坂真護。

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2017年に、“世界最大級の電子機器の墓場”と呼ばれるガーナスラム街・アグボグブロシーを訪問。日本を含む先進国が捨てた電子機器を燃やして1日わずか500円の日当で生計を立てる人々と出会ったことをきっかけに、廃棄物で作品を制作し始める。

大量のガスを吸い、がんなどの病に蝕まれ、30代でこの世を去る人も多い姿を目の当たりにした長坂は、作品の売り上げから得た資金でこれまでに1000個以上のガスマスクをガーナに届け、18年にはスラム街初の私立学校を設立。19年、アグボグブロシーへの5回目の訪問時には53日間にわたって滞在。スラム街初の文化施設を設立し、その様子はエミー賞授賞映画監督カーン・コンウィザーによるドキュメンタリー映画『Still A Black Star』として制作されるなど、注目を集めている。

また、長坂は経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義サステナブルキャピタリズム持続可能資本主義)」を提唱。スラム街に集積した廃棄物を自身のアート作品へと昇華し、その売り上げを現地の人々へと還元する活動を続けている。2030年までに資金を集め、現地にリサイクル工場を建設し、さらに農業、EV事業など、新たな産業と雇用を生み出すことを掲げる長坂の最終的な目標は、素材となるゴミをなくしてアートが作れなくなる状態にすることだという。

本展は、自身初となる美術館での個展開催。アートでサステナブルな世界を目指す足跡とともに、電子機器廃棄物を使用した作品のほか、世界平和への願いを込めたさまざまな作品を展示する。

日々精力的な制作活動を続けている長坂真護。壮大なメッセージを訴えかける作品の数々に、どうぞご注目を!

※掲載情報は9月20日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「長坂真護展 Still A“BLACK”STAR」
会期/2022年9月10日(土)~2022年11月6日(日)
会場/上野の森美術館
住所東京都台東区上野公園1-2
URL/https://www.mago-exhibit.jp/

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