SKE48が10月5日(水)に30thシングル「絶対インスピレーション」をリリースする。同楽曲は9期生の青海ひな乃がセンターを務め、MVは“青海ひな乃 vs 須田亜香里率いるSKE48”という構図で展開。SKE48 の世代交代やお互いをリスペクトする気持ちが、ダンスを通して表現された楽曲となっている。
また、同楽曲は11月1日(火)にグループを卒業する須田のSKE48として最後のシングルに。カップリングには須田がソロで歌う卒業曲「私の歩き方」も収録される(※Type-Aのみ)。
今回は須田にインタビューを行い、表題曲&卒業曲のことをはじめ、卒業後のSKE48への思いや13年間アイドルを続けられたモチベーションなどについて話を聞いた。
■卒業コンサートは「希望のある時間にしたい」
――5月に卒業発表をして、今は卒業コンサートの1カ月前(※取材時)ですが、心境はいかがですか?
コンサートをちゃんと魅力的に組めるかどうかの不安がありますね。自分にこんなにも託してもらえる部分が多いんだなっていうことに驚いていて、みんなが楽しかったって言ってくれるコンサートができるかすごく不安です。
――今考えているコンサートのコンセプトは?
「君だけが瞳の中のセンター」というタイトルも自分で決めたんですけど、やっぱり自分のアイドル人生ですごく大切だったというか、救われたことがやっぱり“瞳の中のセンター”にしてもらえていたことで。
ずっと目立たないポジションにいたけど、みんなが瞳の中のセンターにしてくれたから、(2013年の)選抜総選挙で16位に入れたり、そこから世界が広がっていったと思います。
なので、後輩メンバーだけじゃなくて、お仕事で悩んでいる方とか、いろんな方が「今の自分が置かれている状況を頑張ってみようかな」って思えるような、希望のある時間にしたいなって思っています。
■「かなえたいことは本当にたくさんかなったなって思います」
――“劇場公演の端っこのポジションから始まった”というお話はよくされてきましたよね。
今の専用劇場になる前の旧劇場はステージが今の位置とは反対側にあって、ステージもだいぶ狭くて、立ち位置が“5.5”くらいまでしかなかったんです。私は“5”で踊らなきゃいけなかったり、“5.5外”に立たなきゃいけなかったりした曲が多かったので、体が半分くらい袖に隠れそうになりながら踊ることが多かったのが印象に残っています。
そのときは「いつも端っこだ」って思ってたけど、今思うとたった3年半くらいしかそれを経験してないんですよね。端っこにいたってすごく話すけど、今思うと「3年半ぽっちか」って、短かったなって思います(笑)。
――2019年のシングル「ソーユートコあるよね?」では表題曲のセンターも経験しました。
かなえたいことは本当にたくさんかなったなって思います。ナゴヤドーム(※現バンテリンドーム ナゴヤ)に立たせてもらったのもすごくいい経験だったし、また立ちたいなって気持ちもありました。
ずっとSKE48がナゴヤドームを目指してくれたり、立てるグループになってくれることが私はうれしいなって思うので、みんなにはこれからも諦めることなく、そこはずっと見据えて頑張ってほしいなって思います。
■「順位が付くものはやっぱり1番に近づきたい」
――13年間アイドルを続けられたモチベーションは?
何ですかね? モチベーションかぁ…。もちろん応援してもらえることがうれしかったからっていうのもあるし、あとはアイドルをしている自分が好きだったんだと思います。
アイドルの衣装を着ている自分が好きで、衣装とかメイクとか、そういう自分だけでは輝けない姿になるためにたくさんの方がサポートしてくれて。「自分がステージに立つために、たくさんの方がサポートしてくれた」「自分1人でアイドルをやってないんだな」って思えたことがすごく大きかったかもしれないです。
もちろん、見せたい相手がいるっていうのも大きかったですけど。
――須田さんは結構負けず嫌いな性格だと思うんですけど、そこは影響していませんでしたか?
ここ4年くらいは今言ったような理由だったんですけど、その前はそうですね。選抜総選挙があった頃は負けず嫌いがほとんどでやってきたかな。
私は1番にならないと気が済まない性格なので、順位が付くものはやっぱり1番に近づきたいですよね。順位にしても、ファンの方に愛される度合いにしても。
アイドルだから1推しとか2推しとかあったりするけど、正直1推しじゃないと気が済まないし、悔しくてたまらない。だから、誰よりも愛されたかったんだと思います(笑)。
■13年間で変わった恋愛観と内面のこと
――卒業を発表するといろいろなところで卒業後の恋愛について質問もされると思います。これまでもテレビ番組などでお話はしてきたと思いますけど、恋愛観は昔と変わりましたか?
変わらないんじゃないですか? あんまり意識したことがないから、分からないんですよね。ずっと「落ち着いてる人がいいな」とか「慌てない人がいいな」とか思ってるんですけど、いざ好きになるのはどんな人なのか、ちょっと想像つかないです(笑)。
でも、昔は「お金を持ってる人がいいんじゃないかな」って考えたこともあるけど、これは大人になって変わったかもしれないです。
養ってもらっている状態になるというか、その人の支配下に入る気がして。それで自分が譲らなきゃいけないものが増えたりしたら嫌だなって思うから、結婚してもお金の面でちゃんと自立した人でいたいなっていうのは、大人になったからこそ感じるかもしれないです。
――他にこの13年間で、内面で変わったと思うところはありますか?
自分を許せるようになったことだと思います。前はもっと「向上しなきゃ!」っていう気持ちでやってきて、その時間はすごく大事だったし、自分を否定することで奮い立たせるっていう時間があったからこそ身に付けられた思考とか、嗅覚みたいな瞬発力もあったんですけど。
今は終わった後にくよくよしなくなったというか、失敗した自分に対して「でもこれが今日の自分のベストでしょ? ならよくない?」って許してあげられるようになりました。
「何でうまくできなかったんだろう」じゃなくて、“うまくできなかった”のが今日の私、「それが今日の私の実力だよ」って自分に言えるようになってから、あんまり仕事で落ち込まなくなりましたね。
■「ダンスと表現でストーリーがどこまで伝わるか楽しみです」
――では、SKE48のメンバーとして参加する最後のシングル「絶対インスピレーション」についてお聞きしたいと思います。
MVは仲間との友情やリスペクトをダンスで表現したっていう世界観になっています。本当にとにかく踊りました! ダンスのプロリーグ「第一生命 D.LEAGUE」のavex ROYALBRATSさんに振り付けをしていただいたんですけど、静と動のバランスがすごくエッジが効いていて、めちゃくちゃカッコ良いです。
「SKE48ってダンスが激しいよね」って言われるんですけど、技術じゃなくて勢いでやってきた部分があるから、なかなか自信が持てなかったりして。そんな私たちの良さを最大限に生かしてくれて、撮影の中でスキルアップもかなえてくれたというか、学べることが多い有意義なMV撮影でした。
――撮影は東京国際フォーラムで行ったんですよね。
演出もすごく面白くて、青海が魔法を使って、そのイタズラでみんなが宙に舞っちゃったりするんですけど、私はその魔法を全く受け付けないっていう超強いラスボス感があって(笑)。“青海 vs 須田率いるSKE48”という構図があって、そこもすごく面白いので、セリフがないMVだけど、ダンスと表現でストーリーがどこまで伝わるか楽しみです。
――魔法が効かない役ってことは、他のメンバーがしていたワイヤーアクションはしてないんですか?
そうなんですよ。私と青海以外はワイヤーアクションがあったんですけど、楽しそうでしたね。私は強過ぎてなかったです(笑)。
――カップリングには卒業曲の「私の歩き方」も収録されます。
伝えたい相手が思い浮かぶ歌詞がすごくお気に入りで、伝えたい相手を思い浮かべながら歌いました。
MVの演出もどんなことをやりたいかスタッフさんが聞いてくださって、自分の人生の全てを見せられるものにしたいなって思ったので、SKE48加入前にやっていたクラシックバレエの経験と、SKE48に入ってからの経験、どっちも生きるものにするためにコンテンポラリーダンスをやらせていただきました。
2017年の「AKB48グループ感謝祭~ランクインコンサート」で振り付けをしていただいた辻本知彦さんに、またやっていただきたいなと思ってお願いしました。今の私や楽曲の世界観に合う振り付けをしていただけて、すごく楽しかったです。
私1人のためにすてきなセットを用意してもらったり、花びらを降らせるためにたくさんのスタッフさんがはしごに登ってくれたり、本当にたくさんの方がこの作品のために動いてくれているんだっていうのを見たときに、「私、アイドルをやってきたんだな」「ファンの方々のおかげでここまで来させてもらったんだな」と思えて、すごく幸せな空間でした。
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