ブラジルのある森で3日間行方不明になっていた女性と3歳の娘が今月12日、ドローンにより発見され無事に保護された。女性は9月9日にパートナーの男性や娘とともに母親の家に向かっていたが、途中で車が故障し動かなくなるトラブルに見舞われた。その際、母娘は助けを求めるために携帯電話の電波が届く場所まで歩いて行ったという。そして一時的に携帯電話は繋がったがすぐにバッテリーが切れてしまったため、2人は道に迷ったまま森から出られなくなってしまったのだ。『The Sun』『The Mirror』などが伝えた。

ブラジルのミナスジェライス州リベイラオ・ダス・ネヴェスで暮らすルドミラ・ジーザス・ダ・シルバさん(Ludmila Jesus da Silva、21)は9月9日、モラダ・ノヴァ・デ・ミナスにある母親の家に向かう途中、突然のトラブルに見舞われた。

彼女のパートナーであるヴァルター・モレイラ・ウェスターマンさん(Valter Moreira Westermann、23)が運転していた車が故障して動かなくなってしまったという。

しかもその場所は携帯電話の電波状態が悪く、2人は助けを呼べずに立ち往生していたところ、通りすがりの運転手が「もっと高いところに行けば電波が届く」と教えてくれたそうだ。

ルドミラさんは娘のキャラちゃん(Kyara、3)と一緒に歩いて電波が届く場所までたどり着いた。そして携帯電話は一時的に繋がったもののすぐにバッテリーが切れてしまい、道に迷ったまま森から出られなくなったという。

車の中で2人を待っていたヴァルターさんは、当時の状況をこのように振り返っている。

「しばらく待っていても2人が帰って来なかったので心配になって、ナタを持ってやぶをかき分けながら森の中を探しましたが見つからなくて…。車に戻ってルドミラとキャラの名前を呼びましたが、返事もなく絶望的な気持ちになりました。それから歩いて何とか民家にたどり着き、そこで助けを求めて警察に連絡したのです。」

現場に駆けつけた警察官は最悪の事態を恐れ、「捜索にはあらゆる手段を使うことが可能だ」と述べ、鋭い嗅覚を持つ探知犬なども加えた大規模な捜索を展開した。

そして捜索開始から3日後の9月12日、アマチュアのドローン愛好家から母娘の姿を発見したという連絡が入った。そしてドローンが特定した場所に向かった救助隊により、2人は無事保護された。

森の中を何キロも歩いた母娘は衰弱しており、キャラちゃんは傷だらけだったそうだが、病院に搬送された翌日には母子共に退院した。

ルドミラさんは入院中、心配する家族に向けて「私は元気だから心配しないで」とビデオメッセージを送ったという。地元テレビ局のインタビューに応じたルドミラさんは、森で過ごした3日間についてこう語っている。

「森の中にはジャガーの足跡があって、実際にジャガーに後をつけられたこともありました。もうここからは出られない、誰にも会えずに死んでしまうんだ…と思うこともありましたが、岩から流れる水を飲んで何とか生き延びることができました。キャラはお腹が空いたとも喉が渇いたとも言わず、まるで私を助けてくれているように見えました。キャラにはベリーを摘んで食べさせましたが、私は何も食べずにただ娘を守ることだけを考えていました。娘のおかげで恐怖を感じたり絶望することもなかったのです。もし彼女がいなかったら、私はきっと諦めていたでしょう。」

そして同じくインタビューを受けたヴァルターさんは、「消防士によると、車のエンジンには埃が入り込んでいて、それが故障した原因とのことでした。ルドミラとキャラの失踪について、私が疑いの目で見られていたことは知っています。それに私が2人を殺害したのではないかと非難する人もいましたが、気にしませんでした。重要なことはルドミラもキャラも元気だということです」と明かしている。

これに対し、地元警察署のフランシエーヌ・リベイロ署長(Franciene Ribeiro)は「ルドミラさんが回復した後、より多くの証言を集めることができ次第、捜査は終了する予定です。今回の件は犯罪ではありませんから」と述べた。

画像は『The Sun 2022年9月19日付「SAVED FROM HELL I got lost with my daughter, 3, in jaguar-infested forest for three days – everyone thought my boyfriend had killed me」(Credit: Jam Press Vid)(Credit: PMMG)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト