アーセナルに所属しているフランス代表DFウィリアン・サリバが母国メディア『Canal+』のインタビューにて、充実した今シーズンとFIFAワールドカップカタール2022への意気込みを語った。

 サリバは2019年夏にサンテティエンヌからアーセナルへの完全移籍が発表され、1年間のレンタル移籍という形でサンテティエンヌに“事実上の残留”をした後、2020年夏にアーセナルに合流した。しかし、加入直後はミケル・アルテタ監督からの信頼を得られず、トップチームでの出場機会は1分たりともなかった。シーズン途中にニースへレンタル移籍に出ると、昨シーズンはマルセイユレンタル移籍。公式戦52試合に出場、特にリーグ・アンでは36試合に出場し、クラブの2位フィニッシュとチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献した。

 今夏はマルセイユへの完全移籍も噂される中、アーセナル復帰を決断した。プレシーズンからセンターバックで不動の地位を確立すると、ここまでプレミアリーグ全7試合にフル出場。セットプレーから2ゴールも挙げている。サリバはアーセナルでの今シーズンについて、「僕は勝つためにここに戻ってきたのだから、良いシーズンのスタートを切れて嬉しいよ。マンチェスター・U戦までは素晴らしいシーズンだったが、それでも僕らは首位に立っている」とコメント。アーセナルには“遠回り”して辿り着くこととなったが、今ではそれも良い経験だと語っている。

「個人的には、長い間レンタル移籍していた。そこでプレーする機会を得て、ミスを犯し、多くを学んだ方が良かったと今は思う。選手としてより強くなり、野心を持って帰ってくることができた。サッカーは非常に複雑なものだけれども、決して諦めずに自分自身を信じることが大切だ。レンタル移籍に出ていた経験が僕に教えてくれたんだ」

 また、今年3月に初招集されたフランス代表にも言及。現在、“レ・ブルー”はパリ・サンジェルマンのDFプレスネル・キンペンベ、バルセロナのDFジュール・クンデ、マンチェスター・UのDFラファエルヴァラン、バイエルンのDFダヨ・ウパメカノなど多くのセンターバックを抱えているが、サリバも初招集された3月から継続的に声がかかっている。「ワールドカップに出るのは夢だった」と話すサリバは、今後の“サバイバル”にも意欲を燃やしている。

「初めて招集された時から僕が望んでいるのはたった1つ、カタールに行くことだった。自分の国を代表して戦うということは、信じられないほど誇らしいことなんだ。アーセナルで良いプレーを続ければ、必ず出場できるチャンスがある。この国には沢山の良いセンターバックがいるけれども、ワールドカップに出るために全力を尽くすつもりだ」

 なお、サリバは22日に行われたUEFAネーションズリーグ(UNL)・リーグA・グループ1第5節のオーストリア代表戦はベンチからのスタートとなったものの、スタメンで出場していたDFジュール・クンデの負傷を受け、23分からピッチに立っていた。試合は2-0でフランス代表が勝利している。次節は25日に行われ、フランス代表はデンマーク代表との一戦に臨む。

アーセナルでもフランス代表でも充実の時を過ごすサリバ [写真]=Icon Sport via Getty Images、Getty Images