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 大粒の涙を何度も流しながら、中日福留孝介が引退試合を終えた。本拠地最終カードとなった23日の巨人戦。9回の右翼守備から登場し、その裏の打席では二飛に終わった。チームメートらの手によって背番号と同じ9度胴上げされ、現役生活に別れを告げた。

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 この日は名バイプレーヤーの引退も発表された。ソフトバンク明石健志が今季限りでの引退を表明。ダイエー時代を知る最後の現役選手でもあり、プロ19年間で投手、捕手以外の全てのポジションを守った。6度のリーグ制覇と、7度の日本一に、なくてはならない名脇役だった。

 今季はすでに、西武・内海哲也、阪神・糸井嘉男が引退試合を終えている。オリックスで兼任コーチ能見篤史も、ユニホームを脱ぐことを明かした。5人の名選手たちが、現役生活を終える。

 次々と引退がアナウンスされることで、去就が改めて注目される選手たちもいる。

 セ・リーグで優勝が間近に迫っているヤクルト。通算2185安打を誇る内川聖一は、今季の1軍出場が6試合にとどまっている。8月には40歳を迎えた。新型コロナウイルスの集団感染で1軍メンバーが手薄になった際には声がかかり、3安打を放ったものの、1軍に定着することはできなかった。

 ヤクルトでは他にも今季からコーチ補佐として兼任となった嶋基宏も、1軍での出番には恵まれていない。今季の1軍出場はわずか1試合。37歳と年齢的にはまだまだ期待したいところだが、捕手というポジション柄、負担は大きい。

 38歳の坂口智隆も1軍で23試合の出場にとどまる。ただ11安打を放ち、打率・268。持ち前のセンスと勝負強さは失っていないようにも映る。明石が最後のダイエー戦士なら、こちらは最後の近鉄戦士。昨年も1軍出場は25試合ながら日本シリーズでも出場を果たしており、さてどうなるか。

 シーズン中に内川と同じく40歳を迎えたのが、巨人・中島宏之。ただここまで1軍60試合に出場し、24安打を放って打率・247、1本塁打、20打点と代打を中心に存在感を示している。現在通算1923安打と、大台の2000安打まであと77本。節目に達し、名球会入りを果たすことはできるか。

 昨オフにソフトバンクを戦力外となり、今季から楽天に加入した川島慶三は、まもなく39歳となる。6月11日の巨人との交流戦では先制3ランを放ち、ヒーローインタビューも受けた。ただ1軍では12試合の出場にとどまり、3安打で打率・136。チームの戦力になっているとは言い難い状況だ。

 その楽天で昨季1軍出場がなく戦力外となり、今季から古巣のDeNAに加入した藤田一也は40歳。もっとも今季は1軍で30試合に出場し、打率・258、5打点と存在感は示している。

 さらに引退を表明する名選手たちは現れるのか。ペナントレースは佳境を迎え、いよいよ選手たちの去就や移籍情報が飛び交うストーブリーグの季節がやってくる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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