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 今月21日、プーチン大統領は予備役を軍務につかせる「部分的動員」を発令すると発表した。これにより兵士が約30万人追加されることになるという。

 兵士不足が如実に表れた発表だが、事実ロシア軍は、服役中の囚人にすら頼らざるをえなくなっている状況だ。その中には連続殺人犯や強盗犯、さらには人喰いの殺人鬼すら混ざっているそうだ。

 プーチン大統領の計画の元、彼の私兵とされているロシア民間軍事会社ワグナー・グループ」により、少なくとも5万人の受刑者が招集される予定で、すでに3000人がウクライナに派兵されたという。

【画像】 ウクライナの戦場にロシアの受刑者の姿を確認

 ロシアの受刑者を監視する非営利組織「ロシア・ビハインド・バー」は、ロシア国内に50万人いるとされる受刑者やその家族に、法的・慈善的支援を行う団体だ。

 同団体の設立者であるオルガ・ロマノワ氏は、ウクライナ当局が公開したとある映像を目にして驚愕したという。

 そこには下着姿ロシア兵の捕虜が映し出されていた。その下着はロシア・ビハインド・バーが支給した下着そのものだったのだ。

 彼は血まみれで両手を縛られており、殴られた跡があった。そして「アシュニク」(ashniks/民間人の新兵)と「カシュニク」(kashniks/ロシアの受刑者)がウクライナ戦に加わっていると証言していた。

俺たちは大軍なんかじゃない、ただの烏合の衆だ。ワグナーグループに連れてこられたんだ。戦い方は教わったが、1週間で身につくはずがない

 この男性はウクライナに来る前、ロシアで懲役9年の刑に服していたという。

シリアルキラーや人喰い殺人犯までも招集派兵

 捕虜が口にしていた「ワグナー・グループ」とは、ロシア民間軍事会社だが、プーチン大統領の私兵だと考えられている。

 ロシア・ビハインド・バーの弁護士スラン・バハポフ氏によると、このワグナーグループ刑務所を訪問して、ウクライナで戦う兵士を集めているのだという。

 例えば、モスクワ北東の都市ヤロスラヴリでは、刑務所3か所を回ったことが判明している。

 こうした話が報告されるようになったのは6月頃からだ。当初、対象となっていたのは殺人犯と強盗だったが、今では見境がない。

 人喰いの殺人犯まで採用されたケースがあるという。

ときわうさん臭い連中がウクライナに送られています

私はつい最近、コストロマで有罪となったシリアルキラーの妻と話す機会がありました。彼は5年刑務所に入るはずでしたが、ワグナーに連れて行かれたそうです。

彼の妻は、離婚届を出した復讐に来るのではと怯えています(バハポフ氏)

Convicted from Russian prisons are sent to Ukraine: who is in charge and how Russians react to it

 ちなみにロシアでは現在、どんなに極悪犯罪を犯しても死刑にはならない。最後に死刑となったのは、50人以上の女性と子供を殺害した「アンドレイ・チカティロ」で、1994年銃殺刑に処せられた。

 1996年ロシアは欧州評議会への加盟にともない死刑執行を停止した。死刑を廃止したわけではなく一時停止となったのだ。

 更に2009年ロシアは死刑執行停止を継続することを決め、憲法裁判所は、裁判所が死刑宣告を行うことを正式に禁じており、それが現在も継続中である。

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戦場に解き放たれた囚人たちはハエのように死んでいく

 6月以降、ロシア・ビハインド・バーには、受刑者やその家族からの問い合わせの電話が殺到しているという。

 ワグナーグループの最高責任者で、「プーチンの料理人」と知られるエフゲニー・プリゴジンが、受刑者に対して6か月従軍すれば釈放されると約束したからだ。

私たちが観察している殺人犯のほとんどが徴兵され、ウクライナでハエのように死んでいきます。

最初に徴兵された42人中、生き残ったのはたったの3人。2回目は66人が徴収され、6人だけが帰還しました。1人は腕を失っていました(ロマノワ氏)

 ロシアの法律では、私兵による作戦が禁止されているが、プーチン大統領は自身の私兵(つまりワグナーグループ)をアフリカの極秘作戦に投入していることが知られている。

 またワグナーグループが、ウクライナのドンバス地方で最初に作戦を開始したのは2015年のことだ。

 元ワグナーグループの兵士だったというマラット・ガビドゥリン氏は、「これこそがロシアの力の核心」と語る。

プリゴジンは強大な権力を持っており、どんな刑務所の扉でも蹴破ることができるます。孤児院で徴兵が始まる前に調べるべきでしょう

'If you desert, we'll execute you': 'Putin's chef' recruits convicts for war

さらには予備役までも出兵の事態に揺れるロシア国内

 プーチン大統領が発令した「部分的動員」を受けて、ロシア国内は揺れている。招集される可能性のある男性たちが国内脱出を図り、国境を接する国々に向かう道路は大渋滞となっているそうだ。

 国境を接するフィンランドエストニアラトビアリトアニアポーランドでは、ロシア人の入国を禁止した。バルト3国でも、部分動員令による招集を逃れるロシア人に保護は提供しないと表明した。

 ロシア国内では動員に抗議するデモが相次ぎ、ネット上では「ロシアを離れる方法」や「腕を折る方法」という検索ワード急上昇しているという。なんとでも招集を回避したいムードが広がっている。

References:Russia Accused of Sending Serial Killers and a Cannibal to Fight the War in Ukraine / written by hiroching / edited by / parumo

 
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ウクライナに解き放たれた、ロシアのシリアルキラーや人喰い殺人犯