音楽には、気分を落ち着けるなど様々なプラス効果があるとされるが、その聴かせ方によっては訴えられてしまうこともあるようだ。

 オクラホマ州の刑務所で、収監中の男性が死亡した事件で、亡くなった男性が音楽拷問を受けたとして、同刑務所を訴えている原告のひとりであることが分かった。海外ニュースサイト『The Sun』『USA Today』などが9月13日までに報じた。

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 報道によると9月11日午前4時ごろ、オクラホマ・カウンティ刑務所に収監中の48歳男性Aが、収容部屋で意識のない状態で発見された。見回りの刑務官がAを発見。心肺蘇生を試みるも、Aの死亡が確認された。司法解剖が実施されており、死因は現在も確認中だ。

 亡くなったAは、違法薬物取引の容疑で3日前に同刑務所に収容されたばかりだ。複数の前科を持つAは、刑務所を出たり入ったりを繰り返している人物だ。さらにAは2021年に、同刑務所で「音楽による拷問」を受けたとして、同刑務所およびオクラホマ市を相手取り、賠償を求める集団訴訟を起こしていたことも分かった。この訴訟は、近日中に裁判所で審理が開始される予定であった。

 訴状によるとAは2019年当時、同刑務所に収容された際、ほかの受刑者3人とともに「音楽による拷問を受けた」と訴えていた。Aとほか3名の受刑者は、ことあるごとに弁護士用の面会室に連れていかれ、手錠をかけられて壁際に立たされた。このとき、子どもの間ではやっていたキャッチーな「歌」を大音量で流され、2時間以上も立ったまま聞かされる、という拷問を受けたそうだ。

 この「音楽拷問」に関わった刑務官3人は同刑務所を退職済みだ(2人は解雇、1人は定年退職)。同州検事局は受刑者らを拷問した容疑で、元刑務官ら3人を起訴しており、3人の裁判は現在も続いているという。

 Aの死亡を受けて、Aの代理人弁護士は死亡時の現場保存を呼びかけながら、「音楽拷問訴訟の証人を失ってしまった。あまりにもタイミングが良すぎる。男性の死は疑問だ」などと、各社の取材に回答している。

 このニュースが世界に広がるとネット上では「新しい拷問の手口。恐ろしい」「CIAやFBIテロリストにも音楽拷問やってて問題になってた」「音楽聞かされて発狂した男性が命を絶ったか?」「私も、某夢の国の音楽を繰り返し聞かされたら、それは発狂する」「男性は刑務所に消されたな」「刑務官とは仲良くしとかないと。命の危険が」「闇の深い事件だ」といった声が上がった。

 男性の死因は分かってないが、死者が出たことで今一度、刑務所の管理体制が問われることにはなるだろう。

記事内の引用について
SONG ‘TORTURE’ Prisoner found dead in his cell ‘after being forced to listen to Baby Shark kids song on repeat’(The Sun)より
https://www.thesun.co.uk/news/19795155/prisoner-found-dead-cell-forced-baby-shark/
Oklahoma inmate who said he was tortured with 'Baby Shark' song on loop in 2019 found dead(USA Today)より
https://www.usatoday.com/story/news/nation/2022/09/13/inmate-baby-shark-torture-laswuit-dead/10365554002/

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