日本酒類販売は9月17日、創業の地の東京・八重洲に物販と飲食を併設した直営店「Shop・Cafe & Bar TASU+(タスプラス)」をオープンした。

「東京ミッドタウン八重洲」地下1階に、プレオープンし、10月1日日本酒の日にグランドオープンする。店舗は、「日本酒復権」に資するべく、日本酒メーンで品揃えし、20~40代の女性に訴求する。カフェのようなオシャレな雰囲気とヘルシーな料理で日本酒ファンの幅を広げていく考えだ。なお、同館のグランドオープンは2023年3月を予定している。

同店のグランドオープンの10月1日には、日本酒造組合中央会が行う「全国一斉 日本酒で乾杯!2022」のユーチューブライブに同店から中継で参加、日本酒を世界に向けて発信し盛り上げていく取組に協力する。グランドオープンに先立ち、9月21日には店内で報道向け説明会を実施した。

日本酒類販売執行役員経営企画室室長・羽毛田進氏、タスプラス店長の齋藤晴信氏
日本酒類販売執行役員経営企画室室長・羽毛田進氏、タスプラス店長の齋藤晴信氏

説明会では、執行役員経営企画室室長の羽毛田進氏が説明した。「タスプラスについては、創業の地で、3年前からプロジェクトをスタート、プロジェクトのリーダーを務めている」と自己紹介し、タスプラスのコンセプトを語った。「酒問屋である日酒販がお客様と作り手の橋渡し役として酒類の需要喚起に貢献したいと思い、創業の地、八重洲にタスプラスをオープンした。タスプラスの店名の由来は、商品を単に仕入れて販売するのではなく、造り手の想いや飲み方の工夫、お料理との相性など、さまざまな価値を足して、更にプラスしてお客様に楽しんでいただきたいとの想いから名付けた。店舗の広さは約30坪。競合店がひしめく東京駅だが、競い合うのではなく、お酒や料理にあれこれ価値をプラスして楽しんでもらう体験型の店を目指す。飲んだことが無い人も多い“日本酒”をクローズアップして、日本酒ファンを1人でも多く増やし、“日本酒復権”に貢献したいと考えている」という。

出店の効果と狙いは、〈1〉「お客様とメーカーをつなぐ」をコンセプトに、実店舗で物販・飲食、多目的イベント、プロモーション等、「モノ」だけでなく「コト」を提供するビジネスの拠点とする〈2〉長期的には多店舗展開を検討(既存事業領域の拡大)〈3〉社外のパートナー企業、地域、団体などと連携――。

開業時の店舗運営は「日本酒復権を目的とする」をテーマに、〈1〉物販、飲食のフックとして日本酒メーンで運営〈2〉消費者に日本酒の接点をつくり、楽しみ方を体験・発信〈3〉基本的に運営は自社で行う。店長・副店長は社内公募〈4〉シェフ、店内スタッフは社外募集で調理経験者、日本酒に詳しいメンバー多数――。

店舗開発コンセプト、店舗イメージは「まるでカフェのようなバー」。訴求ポイントは「20~40歳代の女性」で、普通の居酒屋のイメージではなく、オシャレな雰囲気と美味しくてヘルシーな料理から日本酒ワールドへ誘う。食品では、ヘルシー発酵食品(酒粕・塩麹)をブリッジに料理と日本酒をつなぐ。日本酒に親しみやすくする一例として、アルコール度数を炭酸で割って調整する自由な楽しみ方を提案し、入り口の間口を広げる。

わかりやすい味わいチャートと料理とのペアリングで驚きや発見のある日本酒体験から伝統的な深い日本酒の世界へ誘う。また、お試し価格で好みの日本酒を探すことができるよう、45mlの少量販売や3種のみ比べなど、料理とのペアリングにさまざまな日本酒を気軽に楽しめるメニューを用意した。

社内公募に応募したタスプラス店長の齋藤晴信氏は、「日酒販として、初めて物販と飲食の店舗、全てがチャレンジになるが、問屋としてという意義を含め日本酒ファンを広めていきたい」と意気込みを語った。

〈酒類飲料日報2022年9月26日付〉

日本酒類販売 直営店「タスプラス」