地球が元気に活動していることの証拠なのかもしれない。「トンガの海底火山が噴火」し、太平洋に新しい島が誕生していたことが確認されたそうだ。
島を生み出したのは、ニュージーランドとトンガとの間の海底に横たわる「ホームリーフ海山」だ。この火山がある一帯は、海底火山がとりわけ密集していることで知られている。
NASAのニュースリリースによると、9月10日に始まった噴火によって、噴煙とともに周辺の海に溶岩が流れ込み始めた。新しい島が誕生したのは、そのわずか11時間後のことだそうだ。
NASAの人工衛星「ランドサット9号」は9月14日、生まれたばかりの島と水蒸気を上げるその周囲の変色した海水をとらえた。
そのときの計測では、島の大きさは13平方キロ、海抜33メートルの高さと推定された。しかし9月20日に再度計測したところ、79平方キロと6倍近くにも成長していたそうだ。
これまでの研究では、凄まじい熱によって加熱された酸性の海水の水蒸気には、火山岩の破片や硫黄などが含まれていることがわかっている。
NASA 地球観測所が公開した画像にはホームリーフ海山が噴火している様子が分かる / image credit:Lauren Dauphin/NASA Earth Observatory
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世界有数の海底火山密集エリア
島を生み出したホームリーフ海山は、「トンガ・ケルマディック海嶺」という沈み込み帯にある。ここは3枚のプレートが衝突し、世界でもっとも速く収束している海域だ。それゆえに世界有数の海底火山密集エリアでもある。
3枚のうちの1枚「太平洋プレート」は世界最大のプレートだ。6400万平方キロという圧倒的なスケールゆえに、より軽いほかの2枚の下に沈み込み、地球でもっとも深い海溝の1つである「ケルマディック海溝」と、活発な「ケルマディック火山弧」を作り出す。
新たな島はすぐに沈んでしまう?
残念ながら、新たに誕生した島はすぐに消えてしまう可能性が高い。海底火山によって誕生した島は、短命な傾向にあるからだ。
実際、2013年に西之島の南東に誕生した新島は縮小が続き、現在かろうじて存在しているような状況だ。
ただし例外がないわけではない。1995年に誕生したラテイキ火山から生まれた島は、その後25年間存在し続けたそうだ。
References:Home Reef Erupts / written by hiroching / edited by / parumo
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