今月20日、アメリカで盲目の13歳の犬が工事現場にある深さ約4.6メートルの穴に転落した。飼い主の女性によると、自宅に隣接する建設現場のフェンスに穴が開いていたそうで、そこから犬が迷い込んだ可能性が高いという。救助に駆けつけた地元消防隊員はロープと滑車を繋いで穴の中に降り、犬をハーネスで固定したのち無事に地上へと連れ戻した。『ABC7』『Fox News』などが伝えている。

カリフォルニア州パサデナ消防署に9月20日、「1頭の老犬が建設現場の穴に落ちた」という連絡が入った。通報したのはメアリーMary)と名乗る犬の飼い主の女性だった。

裏庭にいるはずの13歳の愛犬“セザール(Cesar)”がいないことに気づいたのは午後7時頃のことで、メアリーさんは当時の状況についてこう振り返った。

「飼っている別の犬が裏庭で吠え始めて、それに応えてセザールも吠え始めました。でもその声は遠くから聞こえて、それでセザールが庭にいないことに気がつきました。私は工事現場の隣に住んでいるのですが、そのフェンスに穴が開いているのを見つけました。どうやらそこに迷い込んでしまったようで…。セザールは13歳の老犬で目も見えていませんが、今でも好奇心旺盛で冒険が大好きなのです。」

その後、建設現場監督と連絡を取ることができたメアリーさんはパサデナ消防署に通報し救助を求めた。そして10分も経たないうちに、救助隊はレイク・アベニューの建設現場に到着したという。

深さ15フィート(約4.6メートル)、幅3フィート(約91センチ)の穴に転落したセザールを救出するため、救助隊はロープと滑車を繋いで隊員の1人が穴の中へと降りていった。その隊員は約12分かけてセザールがいる場所までたどり着き、ハーネスで固定したのちに地上に連れ戻した。

発見時は穴の中で怯えていたというセザールだったが怪我もなく、救出後は工事現場を歩き回りながら体についた土や埃を払い、元気な姿でメアリーさんと再会することができたという。

パサデナ消防署のチャドオーガスティン署長(Chad Augustin)は、今回のような捜索任務には場所特有の困難がたくさんあるとしてこのように述べた。

「ここは工事現場です。閉ざされた空間での救出は頻度が低くリスクも高いのです。それにセザールは目が見えません。私たちは安全に助け出すために多くのステップを踏まなければなりませんでした。それはセザールに対してだけでなく私たち救助隊にとってもです。」

「最終的に救出できたことは本当に嬉しいことですし、協力してくれた人々にとても感謝しています。結局のところ、みんなペットが大好きだということです。私自身も犬を飼っているので、セザールが無事に家に帰れて本当に良かったと思います。私たちは人の命だけだけでなく、動物の命も大切にしたいのです。」

画像は『Fox News 2022年9月21日付「California firefighters rescue blind dog that fell inside 15-foot hole at construction site」(Pasadena Fire Department via AP)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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