「複数の児童が困窮し、お腹をすかせている」と心配した先生が、アイスクリームトラックを購入。たくさんの食べ物を児童たちに届ける活動を展開していること、そして多くの人が先生の思いに胸を打たれ協力していることを、『People』などアメリカのメディアが紹介した。
■貧しい児童を心配した先生
アメリカ・オハイオ州の小学校で体育を教えているジェイソン・ワトソンさん(39)は、6年前から教会を通し貧困家庭の子供たちにご飯を食べさせる活動に関わってきた。しかしそれも、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になったため、断念せざるを得なくなった。
児童たちが心配でたまらなくなったワトソンさんは、地元でアイスクリームトラックを走らせている男性に声をかけてみることにした。自分たちで料理を用意し、アイスクリームと一緒に子供たちに届けてあげたいと考えたのだ。
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■アイスクリームトラックを購入
アイスクリームトラックの所有者はワトソンさんの熱意に胸を打たれ、協力することを約束。2020年10月にワトソンさんはトラックを安く購入し、児童たちに配るための食事作りに励むようになった。
妻子の協力を得てせっせと料理しては、SNSを更新。そうやって児童たちに宅配時間を知らせ、「取りに出ておいで」と促したのだ。
この活動を通し、とりわけ長い夏休みのあいだは毎週約70食分のランチを配ることに成功。ワトソンさんの愛情たっぷりの料理は、多くの児童の腹を満たした。
■「喜ぶ顔が嬉しい」とコメント
ワトソンさんはアメリカのメディア『People』の取材に応じ、「(アイスクリームトラックの)音楽が聞こえると、児童たちが家から走って出てきてくれるんです」「あの子たちの(喜ぶ)顔が見られるんです、こんなにステキなことはありません」と話した。
なお料理が大好きなワトソンさんは、児童たちに食べさせる物にもこだわっている。安っぽいサンドイッチではなく、「普段はなかなか食べられない手の込んだ物を作ってあげたい」「ちょっぴり甘やかしてあげたいんです」とのことだ。
■先生に対する称賛が続々
ところが今年の夏、ワトソンさんはピンチに見舞われた。アイスクリームトラックのトランスミッションとエンジンを交換する時期がきたが、予想していた以上に大金が必要だと判明したのだ。
そこで、寄付型クラウドファンディングで支援を要請。すると多くの人が先生の取り組みに感激し、「がんばってください」とお金を差し出してくれたという。
暗いニュースが目立つ昨今、ワトソンさんの愛と思いやりは多くの人の気持ちを揺さぶった。「先生とご家族は私たちのヒーローです」というコメントもネットに書き込まれている。
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