インド、メガラヤ州にあるサイプン保護林で、巨大な石壺や円形の平石などが散らばる未知の遺跡が発見された。
インドからインドネシアにかけて、似たような石壺群遺跡が続々と発見されており、これらの石壺は葬送に使用されたと考えられている。
巨大な石壺群で、もっとも有名なのは、ラオスのシエンクワーン県で見つかった遺跡で2100個以上の石壺が発見されている。
インド北東部では、1929年にアッサム州ノース・カチャー・ヒルズで、ジェームズ・フィリップ・ミルズとジョン・ヘンリー・ハットンによって、初めてこうした石壺遺跡が発見された。
オーストラリア国立大学(ANU)、ノースイースタン・ヒル大学、ガウハティ大学の研究でも、2022年4月にアッサム地方で65の砂岩壺の発見が伝えられた。
未知の遺跡で発見された石壺
ユニオン・クリスチャン・カレッジ、ナガランド大学、ノースイースタン・ヒル大学、キアン・ナンバー・カレッジ、マーティン・ルーサー・クリスチャン大学の研究者が執筆した論文が『ScienceDirect』に掲載され、2020年2月に、イースト・ジャインティア丘陵のサイプン区画で行われた現地調査について報告している。
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image credit:ScienceDirect
今回研究チームは、新たに、サイプン、ニュープランモイ、トゥルク、ムアルホイ、ムアルセイ・ティアルセン・トラン、ムアルセイ・ネン・セン、ムアルセイ・ルンマイチャムという7つの石壺遺跡を発見した。
石壺や円形の平板石は、さまざまなサイズや形のものが出土していて、中には、中心に円形の石板が置かれた人工的な長方形の池が掘られた遺跡もあるという。
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石壺遺跡は、地形の傾斜を考慮してか、起伏のある丘の頂上の平坦部、砂岩の露出がある場所に多く分布しているという、はっきりしたパターンが確認された。
ムアルセイ・ティアルセン・トラン遺跡からは、4つの石壺が発掘され、陶器の破片や、石ででき
た鼻栓のようなもの、小さなガラスのビーズ、炭化した人骨の破片も発見された。
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2018年には、地元の人々によって、鉄の矢尻が掘り出されたこともある。
ムアルセイ・ネン・セン遺跡の近くでは、動物や人間の姿が彫刻された割れた砂岩の板が出てきた。
この石板は、ほぼ西、南西、南の方向に一直線に並んでいた。ブタや角をもつウシのような生き物、鳥、壺、ヒョウタン、人間の顔、しゃがんでいる人間など、さまざまななものが描かれている。
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石壺は火葬された死者と副葬品を入れていた遺物である可能性
イースト・ジャインティア丘陵での4つの石壺の小規模な発掘によって、これらを作って使った人たちの葬送の習慣について、重要な実態がわかってきた。
発掘から得られた具体的な証拠から、これらの石壺は、火葬後の死者の文化的な副葬品が埋められた穴の上に置かれた遺物であることがはっきりしたという。
このような重要な発見は、インド北東部と東南アジアという広大な範囲にある石壺遺跡を、さらに理解することに結びついていくものだ。
References:Archaeologists discover giant stone jars in India - HeritageDaily - Archaeology News / written by konohazuku / edited by / parumo
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