極楽鳥としているフウチョウ科の鳥のオスは、多彩な求愛ダンスを踊ることで知られている。そのうちの一種、オーストラリアに生息するビクトリア・ライフルバードのオスが、メスの目の前で渾身の求愛ダンスを披露中だ。
メスはとりあえずその踊りを見ているが、あまりタイプじゃなかったようだ。切ないエンディングが待っている。
Female Victoria’s riflebird unimpressed by mating dance
プロポーズというと人間の場合、「私と結婚してください」とひざまずいて指輪を差し出すところだが、フウチョウ科のビクトリア・ライフルバードの場合はこうだ。
まずオスが特異な「イアァァ!」という鳴き声で、メスを自分の近くへと呼び寄せる。
オスの目の前にメスがやってきて、向き合った状態になると、オスは羽を広げながら、くねくねと独特でユニークなダンスを踊る。
時にはメスと超密着することも。
もしメスがOKの場合なら、メスも一緒に踊り始める。羽を広げてオスの動きに合わせて一緒にダンス。オスと交互に羽を前に伸ばしたり、上げたりする。そして最後に、オスが両羽でメスを抱きしめると、愛し合う。
だがメスがNGの場合どうなるか?こうなる。
あんたには興味がないとばかりに、つれなく飛び立ってしまうのだ。
あ、ちょ、まっ、行かないで!と羽を広げた状態でメスの飛んで行った方向を見つめるオス。せつない恋の物語となってしまったようだ。
オーストラリア、クイーンズランド州北東部のアサートンテーブルランド地域に生息するビクトリア・ライフルバードは、1848年に発見され、英国のビクトリア女王にちなんで名付けられた。
フウチョウ科最小で体長は24cm前後。オスは紫の光沢のある羽毛を持ち、メスは茶褐色。現在絶滅が危惧されているそうなので、オスさんめげずにがんばってほしい。
written by parumo
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