お盆・お彼岸・お墓参り

大切な故人との生前の出来事に思いを馳せることができるお墓参りは、残された人々に安らぎをもたらす精神的な拠り所となり得る。

ある家族が長年通った墓が、見知らぬ他人のものだったという事実が発覚した。打ちひしがれる遺族の様子を、『Daily Mail Online』や『Daily Star』などの海外メディアが報じている。


■赤の他人が埋葬された墓

シルヴィア・ロス(67)さんの父親は、1979年に心臓病で亡くなり、イギリス・ダラム州にあるウィットン・パーク墓地に埋葬された。当時24歳という若さだったシルヴィアさんはそれ以来、足繁く父親の墓を訪れ、花を供えてきたという。

ところが、彼女が43年間に渡って見舞っていた墓は、シルヴィアさんの父親のものではなく、実はフレデリックブラウンという全く別の男性が埋葬されていたことが明らかになった。


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■事あるごとに墓参した女性

シルヴィアさんの父親は、数メートル離れた名前の記載されていない区画に埋葬されていた。どうしてこのようなミスが起こってしまったのか、墓地を管理している州議会が現在調査中だという。

シルヴィアさんは、「私はクリスマスや誕生日、父の日のたびに花を持って行ったのに、実際に父の前には何も供えられていなかったのね」とショックを受けた様子を見せた。亡くなった父親が、「誰からも気にされていない」と感じていたのではないかと心を痛めているようだ。

■「故人を思い出すことこそが重要」

この報道を見た人からは、「なんでそんなことが起こるんだ?」「州議会は恥を知るべきだ」「家族が本当にかわいそう」と州議会を非難したり、シルヴィアさん家族に同情する声が寄せられた。

一方で、「間違いは誰にでもあることだし、お墓参りの度に故人を思い出すということこそが重要なことだ」「彼女の父親は、彼女が気にかけていることをきっと知っている」「他人に花を添えるなんて素晴らしい行為だ」と、家族を慰める声も多く見られた。


■州議会による謝罪

州議会の遺族サービス代表者は、この出来事が発覚してから極めて迅速に対応し、墓を正しく配置し直した。

「現在お墓は正しく配置されているが、ご家族が経験された苦痛を取り除くことはできない。傷つけてしまったことに対して、改めて心からお詫びする」と謝罪している。

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(文/Sirabee 編集部・広江おと

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