アニメ「鬼滅の刃」の竈門炭十郎役などで知られる声優・三木眞一郎が、マーベル・スタジオの最新ドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」にて、ハルクの“宿敵”エミル・ブロンスキー/アボミネーション(ティム・ロス)役の日本版声優を務めている。今作では超人法律部の顔になったジェニファー・ウォルターズ(タチアナ・マスラニー)にとっての“最初の案件”として「エミル・ブロンスキーの仮釈放」が描かれ、ドラマ序盤からいきなり登場したことで、マーベルファンを大いに沸かせた。このほど三木にメールインタビューを行い、もし“ハルクのパワー”を使えるとしたらどうするか、憧れのヒーローについて、自身のターニングポイントなどについて聞いた。

【写真】仮釈放審理中、堂々と“アボミネーション化”したエミル・ブロンスキー

■“ハルクの宿敵”役

同作は、超人関連の訴訟を専門とする弁護士で“シー・ハルク”こと、ジェニファー・ウォルターズが30代の独身として、そしてスーパーパワーを持つ身長2メートルの緑色のハルクとして、悩みながらも人生を切り開いていく物語。ディズニー公式動画配信サービス・ディズニープラスで、毎週木曜に日米同時配信中だ。

――演じるエミル・ブロンスキー/アボミネーションの魅力と、共感するポイントなどがあれば教えてください。

アボミネーションとして、物理的にとてつもない力を持ちながらも理性を保ち、一見ひょうひょうとして見えながら、頭脳明晰(めいせき)であり、かつ、いろんな意味での強さも兼ね備え、さまざまな表情を見せる彼は、とても魅力的です。しかも人たらしにも見受けられますし。

彼と共感出来るポイントですか?あのようにあの環境(状況)にいられるのは、むしろ共感というよりは、憧れに近いかもしれません。

――演じる上で特に苦労したシーンは?

人様の人生をお借りさせていただく仕事なので、楽なコトなどあるわけはなく、いつも苦労はいたしておりますが…。やはり、彼の真意の見えにくいところや、それにくわえ、あの表情ですから、日本語とその表情が剥がれないようにするコトです。

■ヒーローは“義理の祖父”

――マーベル作品に限らず、ヒーローへの憧れ、これまでの人生で憧れたご自身にとってのヒーローは? 

ジャンル問わず、今の自分が在るのに、さまざまに影響を与えてくださった方々が、ヒーローとして、自分のなかにおります。そのなかでも、義理の祖父は現在101歳で、今も元気にしております。

コロナ禍になり最近は会えておりませんが、戦争当時の話だけではなく、さまざまな体験を聞かせていただいたりしておりまして。まさにその内容から、間違いなく、彼は自分のなかのヒーローなのであります

――もしも本作の主人公のように、突然ハルクのパワーが手に入るとしたら、堂々とヒーローとして活躍したいですか? できることなら隠して暮らしたいですか?

世間様のお役に立てるのであれば、いただいたパワーを使うのは、良いのですが、できれば個人の存在は、ひたすらひた隠しにして生活していくコトを望みます。

あまりにそこで目立ってしまい、自分であるコトが世間様にバレてしまいますと、今の仕事がやりにくくなってしまう気がいたしますので。できれば地味にそのパワーを役立てたいと思います。

――三木さんご自身のターニングポイント、大きな変化があった出来事は?

さまざまあるのですが、特にお芝居の勉強などをしていなかったのに、オーディションで現在の事務所に研究生として入れていただけたコトでしょうか。そこで仕事につながるさまざまな経験を積ませていただき、現在につながっております。これは本当に自分にとって大きな変化でありました。

――演じるキャラの注目ポイントを含め、読者の方にメッセージをお願いします。

マーベル作品が好きな方にはもちろん、この作品だけを見ていただいても、とても楽しんでいただけると思います。そのなかで、登場する人物が横のラインで別の作品とつながっていたりするコトに気付いていただき、そこからまた世界観が広がっていくかもしれません。

とはいえ、まずは魅力的な登場人物が満載の本作を楽しんでいただければ、うれしいです!よろしくお願いいたします!

◆文=ブルータス海田

三木眞一郎が声を担当する「シー・ハルク:ザ・アトーニー」のエミル・ブロンスキー/アボミネーション/(C) 2022 Marvel