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 家族は、飼っていた犬を置き去りにして引っ越してしまった。犬は、空っぽの家で何週間も孤独に過ごしていた。もしかしたら、自分を迎えに飼い主が戻ってきてくれると信じて待っていたのかもしれない。

 1週間後に大家が犬が取り残されているのを発見。連絡を受けた地元の動物救済施設のスタッフはただちに救出に向かった。久しぶりに人と接し、おびえた様子を見せた犬だが、安全だとわかると本来の人懐っこさを取り戻した。

 現在犬は永遠の家を見つけ、第2のチャンスを得て幸せに暮らしているという。

【画像】 家族に置き去りにされた犬

 7月12日、アメリカのミズーリセントルイスにある動物救済施設『Stray Rescue of St.Louis』に1本の連絡が入った。

[もっと知りたい!→]空っぽの家に置き去りにされていた孤独な犬、里親に迎え入れられた今でも人の気配を常に追い求める日々

 ある家族が、ペット禁止の家に引っ越すことになり、飼っていた犬を置き去りにして去って行ったという。

 連絡は、その家の家主からで、家族は犬を置いて出ていくことを家主にさえも伝えていなかったようだ。

 一家が去って大家は家の中を確認するために、中に入ったところ、犬が残されたままであることに気付いた。だが大家は犬が怖くて中に入ることができず、最終的に動物救済施設に連絡した。

 Stray Rescue of St.Louisの施設主任ドナ・ロッチマンさんは、すぐに車を走らせてその家に向かった。

 そして、家の階段の下の踊り場に閉じ込められた状態になっていたボクサーのミックス犬を発見した。

家族が迎えに来てくれることを信じて、家から出たがらない犬

 推定年齢2歳ほどのその犬は、久しぶりに会った人間に怯えていたが、時間をかけてやさしく接すると、本来の人懐っこさを見せ、素直に紐に繋がれた。

 暑い夏の最中、犬は空っぽの家にずっと閉じ込められていたが、親切な誰かによってボウルに餌と水が与えられていたおかげで、2週間以上生き延びることができたようだ。

 ドナさんは紐をつけた犬と外に出ようとしたが、犬は外にでたがらない。家の中にいれば家族が迎えに来てくれると信じているようだ。

 ドナさんはソーセージを与えて、なんとか外へと連れ出した。

人間のことが大好きな甘えん坊の人懐っこい犬だった

 犬を車に乗せたドナさんは、犬がエアコンの吹き出し口に顔を押し付けて冷たい空気を浴びることを気に入っている様子を見て、犬を「フレオン」と名付けた。

 フレオンは、ドナさんにも慣れて膝の上に乗るようになった。本当は、とても人懐っこく、人間に甘えるのが好きな性格だったのだ。

 施設に着くと、フレオンはすぐにスタッフ全員の心をつかんだ。

 施設内の診療所で、注射を打つ際にも、フレオンは獣医にキスをして「今までこんな犬は見たことがない」と言われるほど、愛情深い性格を示し周りを驚かせた。

 フレオンは、しばらくの間診療所で治療を受けた後、完全に健康を回復させた。愛らしいフレオンが養子縁組の資格を得るまでに、そう時間はかからなかった。

永遠の家と仲間のいる家で第2のチャンスを得る

 8月25日、施設のFacebookではフレオンに永遠の家と仲間が既に見つかった喜びがシェアされた。

もう過去は振り返らなくていいんだよ。永遠の家が見つかってよかったね。みんなあなたのことが大好きだよ。

 家族に置き去りにされるという辛い経験をしたフレオンだが、第二の犬生を得た今、新たな良い飼い主に恵まれて、幸せに暮らしている。

References:Loyal Dog Waits For Weeks In Empty House After Family Leaves Him Behind - The Dodo/ written by Scarlet / edited by / parumo

追記:(2022/09/29)本文を一部訂正して再送します。

 
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家族に置き去りにされ、空っぽの家で何週間も待ち続けた犬の救出物語