阿部寛が主演を務めるドラマ「すべて忘れてしまうから」の第3話9月28日に配信された。第3話ではミステリー作家の“M”(阿部)がトークイベントに出席し、その会場に“謎の美女”役の大島優子が登場。第1話や2話の配信後にも大島ファンによる“大島待望論”は散見されていたが、いよいよ初登場し、ネット上では「ついに謎の美女が」「待ってた!」など出演を喜ぶ声があふれた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】正体不明…!“謎の美女”役で出演する大島優子

同ドラマは、今最も話題の作家の1人である燃え殻のエッセイを国内トップクリエイターがドラマ化した話題作。阿部演じる作家“M”を主人公に、消えた彼女“F”(尾野真千子)を巡る、大人の心に染みわたるミステリアスでビタースイートなラブストーリー。ディズニー公式動画配信サービス・ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で毎週水曜昼4:00より独占配信中だ。

物語の主人公となる“M”を阿部、“M”の失踪した彼女“F”を尾野が演じる他、“M”の行きつけであり、物語のキーとなる舞台“Bar 灯台”のオーナーChara、同じバーで働く元バンドマンの料理人役を宮藤官九郎、“F”と何やら関係のある謎の美女役で大島優子、そして“F”の姉を名乗る女性役で酒井美紀が出演。さらに、異例の試みとなるエンディング楽曲を毎話異なる10組のアーティストが担当することも話題となっている。

■“M”のSNSに脅迫文が

編集者の澤田(渡辺大知)の勧めでSNSを始めた“M”は、予想外にフォロワーが増えるさまに喜ぶ。しかし、ある日トークイベントの告知を投稿すると「その日あなたの関節を全部折ります」という脅迫文が届く。澤田に話すも特に気にする様子もなく、警察に相談するも本気で取り合ってもらえず、不満が募るばかり。そんな中、行きつけの「Bar 灯台」の帰り、“M”はふと思い立ち、“F”にLINEで「どこにいる?」と送ってみるのだった。

イベント当日の朝、お気に入りの喫茶店で仕事をしていると、マスター(見栄晴)の元妻で探偵の女性(内田慈)と知り合い、SNSの脅迫文について相談することに。だが、打つ手がないことを知らされ肩を落としたついでに、「いなくなった人ってどうやって捜すんですか?」と尋ねると、「見たところ本気で捜そうとしていない」と指摘され、図星で言葉を失う。

■“謎の美女”が登場!

イベントでは、大勢の女性客の中に一人だけ大柄な男が紛れ込んでおり、見るからに怪しい風貌でトーク中も無表情で“M”を見てくる。彼の存在が気になってイベントどころではない“M”だったが、サイン会でデビュー時からのファンであったことが判明し、胸をなでおろす。

イベント後、バーで飲んでいた“M”の前に謎の美女が現れ、「私、実はさっきのトークイベントにいたんです」と声を掛けてくる。

誰もが気軽に始められるSNSの面白さと怖さをリアルに、そしてコミカルに描いた第3話。他人事として考えると、「関節を折る」なんてDMがきたと言われても「そんなのいちいち気にすることない」と言ってしまう気持ちも分からないでもないが、自分事で考えるとやっぱりちょっとのことでも不安になる気持ちは痛いほど分かる。かの名将・織田信長も「絶対は絶対にない」という言葉を残しているが、いつの時代も用心に越したことはないのだ。

簡単に情報を発信できたり、災害時の情報交換ができたり、手の届かないスターに直接感想や激励を言えたり、SNSには良い面もたくさんあるが、裏を返すと「フェイク画像」を簡単に拡散できたり、災害につけ込んだ詐欺が横行したり、アイドルに誹謗中傷や卑猥な言葉を直接ぶつけることも容易。使う人の気持ち次第で優しい世界が汚れた世界になってしまう。実際、“M”に脅迫文を送ってきた相手の正体と理由も判明するのだが、「なんだそれ」と言いたくなる理由だった。現実世界に置き換え、いろいろと考えさせられる第3話だった。

渋いイケオジ風に見えて、実はちょっぴりビビりで頼りない感じの“M”の雰囲気も、月並みな表現だが阿部が百戦錬磨の演技力で見事に体現。特に「結婚できない男」の阿部が好きな人は、間違いなく本作の阿部も好きであろう。次回第4話で、大島演じる“謎の美女”に振り回される彼の姿が目に浮かぶようだ。

第3話配信後は大島の登場に、“現実世界のSNS”には「美女さん登場!」「待望の謎の美女さん」「お待ちかねの美女が!」といった歓喜の声が。さらに、「予告を見る限り第4話は美女さんメインの回みたいで楽しみです」「次回本格登場でいよいよ物語が動き出しそう」と、次回に期待する声も多く上がっている。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「すべて忘れてしまうから」第3話では、SNSを巡る顛末が描かれた/(C)Moegara, FUSOSHA 2020