社会人になったばかりのころの最初の関門といえば、電話対応ではないでしょうか。メールチャットツールと違い、受話器を取るまで「どんな用件か」「相手は誰か」「緊急性があるのか」などがわからないため、電話に恐怖心を抱く「固定電話恐怖症」の人も増えているようです

電話
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 電話相手が大事な取引先ならともかく、仕事をジャマする迷惑な営業電話の場合は、冷静かつ的確な対応が求められます。そこで今回の記事では、迷惑電話対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社で広報を務める岩渕るみさんが、いますぐできる撃退法を紹介してくれます(以下、岩渕さん寄稿)。

迷惑な営業電話にうんざり…

 業務中にかかってくる迷惑な営業電話にうんざりする人の声は、SNSにも多く上がっています。断っても懲りずにかけてきて、終わらない電話対応。しかも逆ギレまでされたら堪ったものではありません。電話に慣れていない新人時代に、誤って上司に取り次いでしまったり、社内の情報を教えてしまったりして、ヒヤリとしたことがある人もいるのでは……

 迷惑な営業電話に悩む企業担当者からはこんな声も上がっています。

「電話のたびに業務の邪魔をされるのはストレスになります。本当はキッパリと断りたいけど、業種的に将来的な顧客になる可能性もあるので、無下に扱うことができず対応せざるを得ないこともあります

病院にも迷惑な営業電話が増えている

詐欺 電話

 また、お金を持っている医師は悪質営業のターゲットにされやすく、病院にも迷惑な営業電話が増えているそうです。他院の医師を装い、医師につなぐよう事務員に指示し、最終的に高額商材、証券、土地などの営業をするんだとか。病院側の都合をお構いなしにかけてくるので、電話対応のために診療を中断するなんてことも。

 こういった迷惑な営業電話には、一体どのように対応するのが得策か。すぐに取り入れられる対策から、テクノロジーを活用した対応まで、対処手法を紹介していきます。

1)基本的な対応

 まずは、電話がかかってきた時点で、相手の会社名と用件を聞くようにするのが基本です。相手がはっきりと名乗らない場合や、用件がうやむやなのに上席につながせようとする場合は、営業電話の可能性大。その場合は、とにかく焦って対応しないことが大事です。

 相手の連絡先を聞き、いったん電話を切ってから判断しても遅くありません。必要があれば折り返せばいいですし、会社名や用件を名乗らない場合は、不要な電話だと考えましょう

2)迷惑電話撃退のキラーフレーズを覚える

電話

 しつこい営業電話には、毅然とした態度ではっきりと断るのが重要です。迷惑電話を撃退するための、鉄板の断り文句を身に付けて使いこなしましょう。

新規のお取引は控えさせていただいております
必要な際はこちらからご連絡させていただきます
当社ではそのようなご提案はお断りしております

 あまりにもしつこい場合は、法律を盾にするのも手段のひとつ。特定商取引法の第16条では、事業者が電話勧誘をする際、勧誘に先立って以下の事項を明らかにするように定められています。

・事業者の氏名または名称
・勧誘を行う者の氏名
・販売しようとする商品(権利、役務)の種類
・契約の締結について勧誘する目的である旨


 また、電話営業で相手が売買契約をしない意思を示した場合、事業者はその契約について、さらに勧誘を続けたり、改めて勧誘の電話をしたりすることが禁じられています(特定商取引法第17条「再勧誘の禁止」)。1度断ったのに再びしつこく営業をかけてきたら、「特商法違反ではないか?」と警告するのも撃退法のひとつです。

3)自動音声応答システム(IVR)で自動対応

電話をかける

「△△のご用件の方は◯番を押してください」と音声ガイダンスを流し、自動で対応してくれるシステムを自動音声応答システム(IVR)といいます。コールセンターでよく使われていますが、IVRを工夫して使うことで営業電話を自動で撃退することができます

 例えば、「当社に営業や提案のある方は◯番を押してください」とガイダンスで誘導し、新たなサービスの導入予定がない場合は「現在は導入予定がありません」と自動音声を流す。といった具合です。

 ガイダンスに繋がった瞬間に、諦める架電者もおり、架電リストから除外されて2度とかかってこないかも。

 もちろんシステムを導入する必要がありますが、大きく効率化が進むのであれば、会社側も前向きに検討してくれるのではないでしょうか

4)通話録音機能を活用もアリ

 通話録音も迷惑電話対策に有効です。通話前の告知アナウンスで「この通話は録音されます」と流すことで、悪質な事業者でも諦めることがあるようです。

 また、あまりにもひどい迷惑電話があった場合は、通話録音のデータを証拠として、社内の法務部門、警察や弁護士などに相談することもできるでしょう。営業電話だけでなく、顧客からのひどい暴言などのいわゆる「カスタマーハラスメント」対策にも効果的です。とある自治体では、通話録音を導入した結果、それまで語気の強かった架電者の態度に変化が現れたという事例もあります

 一例としては弊社トビラシステムズが提供する「トビラフォン Cloud」は、IVRや通話録音機能はもとより、独自のデータベースを活用し、迷惑電話の一括拒否や警告表示ができます。

 その他、会社の電話受付を代行し、チャットメールで電話の内容を知らせてくれる「fondesk」(株式会社うるる)といったサービスもあります。自社に不要な電話対応で時間を取られることなく業務に集中できるので、営業時間中に仕事が終わらない……なんてことも減るのではないでしょうか。

精神論ではなく正しい対策を

電話

 迷惑電話に、「お客さまは神様だ」「頑張る」「我慢する」といった精神論で解決しようとする企業がまだまだ多いのが実態です。しかし、その対策には限界がきています

 加えて、いまだに、電話対応は若手の仕事と考える企業は少なくありません。そのため、否が応でも対応せざる得ないわけですが、毅然とした対応を取ることで電話に追われず仕事に集中できる環境を目指していきたいですね。

TEXT特殊詐欺対策専門家 岩渕るみ>

【岩渕るみ】

特殊詐欺対策専門家。迷惑電話・SMS対策を専門とするトビラシステムズ株式会社で営業企画部広報主任を務める。自社の独自情報をもとに情報発信を行い、近年巧妙化する特殊詐欺フィッシング詐欺や犯罪未満の迷惑行為「グレーゾーン犯罪」から身を守る術を伝える

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