犯罪に至るまでの動機やきっかけが不明瞭なのも、未成年犯罪の特徴と言える。以下に紹介するのは、多感な時期の女子高生が犯した恐ろしい犯罪である。

 1984年広島県のある山の中で、行方不明だった中学二年生A子(13歳)が首を絞められ、殺された姿で発見された。犯人は当初、変質者によるものと思われたが、暴行されたような痕跡はなく、犯人は「A子の近くにいる身近な人物ではないか」と捜査を開始。

 すると、直前までA子と一緒にいたという高校三年生のB子(17歳)が捜査線に上がった。警察は錯乱状態になっているB子に事情聴取をすると、B子がA子を殺した犯人である事がわかった。

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 B子はA子とは歳は離れているが、以前から仲が良く、幼少期の頃は姉妹のように一緒に行動していたという。だが、高校三年生のB子は最近、進路について悩んでいたといい、本当は某大学の薬学部へ通いたかったのだが、家族から強く反対されていたという。

 特に父親および母親とは激しい口論になっていたようで、近頃は軽いノイローゼ状態になっていたようだ。

 その前後から、B子はそれまで妹のように仲の良かったA子に対して、キツく当たるようになっていたという。A子は学校の成績も良く、活発な性格でピアノも上手かった。そのためB子はA子に対して嫉妬に近い感情を抱いており、たびたび衝突していたようだ。

 だが、ノイローゼ状態でも二人はかなり仲が良かったようで、A子が行方不明になった当日、A子の部屋にはB子と一緒に食べたビスケットやチョコレートの袋が残されており、警察はB子が急に気分が落ち込み、衝動的に首を絞めたのではないかと見ている。

 B子は殺害当日の記憶は曖昧のようで、「A子が憎くて仕方がなかった」と犯行を認めているものの、二人の間に何があったのかは分からなかったという。

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