安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也容疑者をモデルとする映画『REVOLUTION+1』が製作、上映され話題を集めている。7月8日の事件発生を受け、すぐさま脚本と製作の準備に取りかかり、8月下旬に8日間で撮影。その後、編集作業へ入り、安倍氏の国葬儀の前日の9月26日に初上映となった。今回、流れるのは50分ほどのバージョンであり、今後30分ほどを加えて劇場公開が順次予定されている。

 監督を務めた足立正生氏は、2012年に亡くなった映画監督・プロデューサーの若松孝二さんとタッグを組んだ映画人として知られる。その後、日本赤軍へ合流し海外へ渡った。反権力の映画監督が、安倍氏襲撃事件を題材とした映画を製作した形だ。

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 今回の作品は全国のミニシアターでも上映が予定されていたが、「テロを賛美するのか」と抗議を受け、鹿児島県映画館が上映を中止している。

 今回のケースは作品への抗議のみだが、過去には社会派の映画で大きなトラブルにまで発展してしまったケースがある。

 1997年に亡くなった映画監督で俳優の伊丹十三さんは、92年に監督作『ミンボーの女』の公開直後に、自宅近くで刃物を持った5人組の男たちの集団の襲撃を受け、顔や両腕などに全治3か月の重傷を負う。「ミンボー」は民事介入暴力の通称。警察が民事に介入できないため、暴力団が台頭しやすくなる。伊丹氏は暴力団の手口などを映画内で描いてしまったため、逆恨みをされてしまったのだろう。伊丹氏は「これからも社会派映画を作る」とコメント。痛々しい姿で記者会見も開いた。

 だが、伊丹氏への嫌がらせはこれだけにとどまらず、次の作品である『大病人』が公開されると映画公開中にスクリーンが切り裂かれる事件のほか、脅迫や嫌がらせも受けたという。

 社会派の映画作品は注目を集めやすい分、さまざまな物騒な騒動を引き起こすとも言えそうだ。

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