胸,貧乳

脳腫瘍には多くの種類があり、体のどの部分に異変をきたすかは、種類やできた場所によって異なる。

このほどイギリスの『Metro』が、「初めての症状は乳首から漏れ出た分泌液でした」と語る1人の女性を紹介し、大きな関心を集めている。


■乳がんを否定されて放置

「見た瞬間に乳がんだと思い、私のなかで世界は完全にストップしました」「妊娠も出産もしていないのに乳首から液体が漏れていて、背筋が凍りました」とメディアのインタビューに語ったのは、スコットランドの田舎町に暮らすデイナ・マカルパインさんだ。

さっそく乳房の検査を受けたが、しこりなど悪い所見はなく、新型コロナウイルスロックダウンもあって2年ほどその状態を放置していたという。


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■乳汁分泌ホルモンを過剰産生

その後も乳首からの分泌液が断続的にみられ、デイナさんは不安になり再び受診することに。そこで「脳の精密検査を」と勧められ、各種の検査を経て高プロラクチン血症と診断された。

原因は「プロラクチノーマ」という下垂体腫瘍。これが、乳汁分泌作用を持つプロラクチンというホルモンを過剰に産生しているとの説明だった。

■投薬治療で完治を目指す

その下垂体腫瘍は悪性の可能性はとても低いと知ったが、子供が欲しくなったときどうすればいいのか、27歳のデイナさんにとっては大変つらい病名の宣告だった。

そして診断の1週間後から投薬治療が始まった。効果がなければ摘出手術をと説明されていたが、治療は順調だ。ただし、これからもずっと飲み続けるほか、定期的MRIで腫瘍のサイズを確認する必要があるという。


■男性では女性化乳房も

プロラクチノーマは女性に多く、ほとんどが20歳代から40歳代で発覚する。良性ながら腫瘍のサイズが大きいこともしばしばで、頭痛、視力低下、視野狭窄が認められる患者も少なくない。

女性では乳房からの異常な分泌液を理由に医療機関を受診するケースがほとんどだが、男性では女性化乳房や勃起不全が最初の症状であるため、下垂体腫瘍の存在が確認されるまで時間がかかるケースも多いようだ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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