国民的人気アニメ「プリキュア」シリーズの映画最新作となる『映画デリシャスパーティ・プリキュア 夢みる・お子さまランチ!』が公開中。現在放送中(ABCテレビテレビ朝日系列にて毎週日曜 朝8:30~放送)のシリーズ19作目「デリシャスパーティ・プリキュア」(以下「デパプリ」)の劇場版で、同時上映される作品『わたしだけのお子さまランチ』には、「デパプリ」、「トロピカル~ジュ!プリキュア」(以下「トロプリ」)、「ヒーリングっど・プリキュア」(以下「ヒープリ」)、「スター・トゥインクルプリキュア」(以下「スタプリ」)のプリキュア4世代が揃って登場する。

【写真を見る】3世代声優の“推しプリキュア”は?ファイルーズあい、悠木碧、成瀬瑛美の特別撮り下ろし!

MOVIE WALKER PRESSでは、久しぶりに豪華集結する3シリーズより、「トロプリ」で夏海まなつ/キュアサマーを演じたファイルーズあい、「ヒープリ」で花寺のどか/キュアグレースを演じた悠木碧、「スタプリ」で星奈ひかる/キュアスターを演じた成瀬瑛美にインタビューを敢行!テレビ放送終了後にプリキュアを演じることの心境から、「プリキュア」シリーズでの猛烈な“推しキャラ”まで、息の合った楽しいトークをたっぷりとお届けする。

「ごはんは笑顔 みんなあつまれ!いただきます!!」をキーワードに、みんなのおいしい笑顔を守る「デパプリ」が大活躍する今作は、プリキュアシリーズの劇場版通算31作目。同時上映作品では、映画を観ながらおいしいごはんが楽しめる”レストランシアター・プリキュア”を舞台に、映画を観ている実際の観客をレストランのお客さんに見立て、プリキュア3世代が「デパプリ」と力を合わせてスペシャルな“お子さまランチ”を作っていく、まさにプリキュアが自分のためにお子さまランチを作ってくれているような、臨場感たっぷりの楽しいストーリーが展開する。

■「これがプリキュアになった時のキラメキだったな!」(悠木)

ーー久しぶりにプリキュアを演じられていかがでしたか?

成瀬「私は常に自分は『プリキュアだ!』と思って生きているので、気持ちはすでにできあがっていました(笑)。だけど、アフレコをすること自体が、実はとても久しぶりだったので、かなり緊張しました。いろんな声優さんがいらっしゃって、マイクの前に立って…と、ドキドキしつつも緊張のなかにはワクワクと”キラやば~っ”があって、すごく楽しかったです!」

悠木「私が演じるキュアグレースは、私自身がこれまで演じてきたなかでも随一の穏やかなキャラクターなんですが、今回はそんなキュアグレースのお人好しな一面もしっかりと描きつつ、楽しい場面も盛りだくさんで演じながらとても心穏やかな気持ちになりました。『そうだ、これがプリキュアになった時のキラメキだったな!』っていう初期のころの気持ちも思い出して嬉しくなりましたし、普段はわりと社会を壊すようなキャラクターを演じることが多いので、久しぶりに守る側にまわったなという気持ちもありましたね(笑)」

ファイルーズ「成瀬さんと悠木さんよりも比較的最近のシリーズ(『トロプリ』は2022年1月まで放送)だったので、そこまで久々という感覚はなかったのですが、それでも久しぶりに『トロプリ』メンバーと会って、一緒に掛け合いをすることができて、とても楽しかったです!」

■「プリキュア声優として使ってはいけない単語ですけど…めちゃくちゃ”尊いな”、と(笑) 」(成瀬)

――今回の同時上映では直近のプリキュア4世代が集まり、まさに「デパプリ」らしいレストランを舞台にしたとってもハッピーなストーリーが展開します。

成瀬「私はまず今作のテーマが“お子さまランチ”というのが、すばらしいなと思いました。“お子さまランチ”って、老若男女どの世代の方もワクワクするステキな単語ですよね。さらに台本を読んでみたら、4世代のプリキュアが仲良く楽しくお子さまランチパーティを楽しんでいたので、プリキュア声優としてあんまり使ってはいけない単語だとは思うんですけど…めちゃくちゃ”尊いな”、と(笑)。台本をいただいた時点で、アフレコがとても楽しみになりました」

悠木「これは“プリキュア映画あるある”なんですけど、台本の表紙がまずかわいいんです!今回もカラフルで、お子さまランチが盛りつけてあるようなデザインになっていて『うわー!これこれ!』と、こちらの気分を上げてくれてから物語を読めるのも、プリキュアの好きなところです。久しぶりにそれぞれのプリキュアと絡むことができたのも嬉しかったですし!なにより”デパプリちゃん”たちとの交流がいままでなかったので、グレースたちとのお話を観ることができたのはうれしかったですし、やっぱり『一緒に同じ釜の飯を食うと仲良くなるんだな』と思って、心が温かくなりました」

ファイルーズ「私が演じていた『トロプリ』は、いままでほかのシリーズとのコラボレーションがあんまりなかったので、こうしてプリキュア4世代での映画が実現すること自体が私自身もとてもうれしかったです!」

■「プリキュアは『Yes!プリキュア5』の“ココとナッツ”目当てで見ていました…」」(ファイルーズ)

――「トロプリ」「ヒープリ」「スタプリ」、3シリーズとも全然カラーが違うのも大きな魅力ですが、ご自身以外のシリーズをそれぞれどう感じていますか?

ファイルーズ「全体的なイメージとして『ヒープリ』は優しく温かい感じがしていて、『スタプリ』はキャラクターデザインがビビットでとってもかわいいのが印象的です」

成瀬「『ヒープリ』は観てるとなんだか爽やかな風が吹いてくるような、地球のお手当がキーワードでもあるので大自然が描かれていたりと、とても清らかな気持ちになって癒やされます。私も地球についていろいろと考えようとか、同じ星で生きる生命たちを愛して、いい感じにしていこうとか…」

悠木&ファイルーズ「いい感じに(笑)」

成瀬「そうやって言うと少し浅はかに聞こえてしまうかもしれないんですけど(笑)。切り込み方がほかのシリーズとも違ってすばらしい作品だと思うので、子どもができたら是非観せてあげたい作品です!『トロプリ』は、作風自体が私自身非常に好みの作品で、徹底された明るさがあって遊び心も多くて、最後までハッピーのまま突っ走ってくれたので、本当に大好きな作品です」

悠木「『スタプリ』と『トロプリ』は、とてもエネルギッシュな作品でしたよね!『スタプリ』はいろんな種族を描いて、それこそ多様性を愛するということが描かれていたし、『トロプリ』の方はとにかく眩しくて見ているだけで元気になるような、笑ってる人がそばにいるだけで人って元気になれるってすごく重要なことだなと感じました。それぞれのシリーズが人の心に絶対的に必要な要素を描いていたので、今回その世代で集まれたこともとてもうれしく思います」

――3シリーズとも魅力的なキャラクターばかりでした。現在放送中の「デパプリ」は17代目のプリキュアになりますが、シリーズのなかでみなさんの“推し”のキャラクターを教えてください

悠木「私はずっと変わらず(『キラキラ☆プリキュアアラモード』の)“キュアショコラ”です(笑)。中性的カッコいいプリキュアでしたけど、しなやかな優しさもしっかりと見えて、様々なプリキュアがいるなかで『こういう人もいていいんだ』というよさが詰まっている。プリキュアってやっぱりお子さまが憧れるものだから、『どんな女の子でもプリキュアになれる』というメッセージ性もいいですし、そういう意味で“キュアショコラ”はなにか一つ、自由を与えてくれた感じもします。めちゃくちゃかわいいです」

成瀬「私は昔から『プリキュア』シリーズが大好きで、“キュアスター”を演じる前まではずっと(『ハートキャッチプリキュア!』の)“キュアマリン”推しと答えていたんですけど、自分たちが演じたあとだとやっぱり自分のチームの子たちが…。みんなそうだと思うんですけど(笑)」

悠木「わかるわかる!」

成瀬「そういう気持ちも芽生えて、演じるってこういうことなんだなと思うんですけど…やっぱり“キュアマリン”大好き(笑)!自由奔放な感じの女の子で、『いろんなことを言ってもいいんだ』と思えて好きになりました。悠木さんが“キュアショコラ”を推している気持ちと近しいかもしれないです」

悠木「家族と推しは、別だからね!」

ファイルーズ「熱いお話のあとでごめんなさい…プリキュアは、『Yes!プリキュア5』の“ココとナッツ”目当てで見ていました…」

成瀬&悠木「それも正解だと思う(笑)」

ファイルーズ「『Yes!プリキュア5』の映画を観に行ったという話をしたことがあったのですが、実はココとナッツ石田彰さん(『映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ』に登場するキャラクター”ドライ”の声優)が目当てだったんです…」

悠木「わかる。いいよね、私も好き!」

ファイルーズ「なので私の好きなキャラクターは…“ココとナッツ”でお願いします!」

プリキュアは「自分が親世代になった時に『お母さんはこれが好きだったんだよ』って話せる共通言語に」(成瀬)

――20年近く続いている「プリキュア」シリーズですが、長年愛され続けている魅力はどんなところだと思いますか?

成瀬「やっぱりいろんなタイプの女の子がいることかなと思います。ここまで長く続いて新しいプリキュアがどんどん増えてくると、自分のお気に入りのプリキュアが出てきたり、『この子の気持ち、私は一番理解できる』っていう本当の“推しキュア”も出てくると思うので、広がれば広がるほどみんなが好きになってくれて間口が広がっていく。これからもさらに増えれば増えるほど愛されて、ステキなシリーズになっていくと思います。そして自分が親世代になった時に『お母さんはこれが好きだったんだよ』って話せる共通言語にもなっていると思うので、そこも魅力ですね」

悠木「演じている我々は少し寂しくはありますけど、毎年違うテーマで、違う女の子たちが活躍しているので、みんなが『私の世代は◯◯だった!』ってなるんです。その世代ごとにファミリーみたいになっていく感覚。これってすごいことだなと思っていて。また大人になってから思ったのですが、プリキュアって観ているだけで胸に希望が満ちるんです。作り手の皆さんがきっと一生懸命、自分の希望を詰め込んでくれているからだと思います。毎年違うものが楽しめて、かつ確実に希望を摂取できるところがプリキュアシリーズの強みです!」

ファイルーズ「私もプリキュアは毎年作品ごとにテーマ性がしっかりしているところが大きな魅力だと思っていています。時代に合わせたテーマの選び方や、メッセージを説教がましくなく伝えているところがステキですよね。例えば私が演じる“キュアサマー”も、いままでセンターとなる主人公は“ピンク”というスタイルが多かったんですけど、あえてそれを打ち破って”レインボー”になって。そういった多様性に対して、すごく柔軟になってきていると思います。『トロプリ』のテーマでもある”メイクで気合いを入れる”というのも、私の世代だと小さいころメイクは好きな人を振り向かせるためのものという感じでしたが、『トロプリ』では自分のためのメイク、自分を奮い立たせるためのメイクとして描かれていて。もし自分が子どものころにこれを観ていたら、またちょっと考え方が変わったのかなって思います」

――最後に、本作の見どころやこれからご覧になる方へメッセージをお願いします。

ファイルーズ「とにかくたくさんプリキュアが出てくるので、絵力がすごいです!おそらく1回だけでは見切れないと思うので、ぜひ劇場へ何回も観に来ていただけたらうれしいですね!」

悠木「映画ではそれぞれの個性を出して“お子さまランチ”に向き合うのですが、『どの世代の子たちもごはんは好き』っていうのがすごくいいなと(笑)。それぞれのプリキュアの表情がとっても魅力的に描かれているので、ぜひそれぞれの気持ちになって“お子さまランチ”を食べた気持ちになってもらいたいです」

成瀬「まさに『デパプリ』全体を通してのテーマにもつながるのですが、やっぱり『みんなでごはんを食べると楽しいな』ということ。それが今回は4世代のプリキュアの交流によって色濃く、また違った角度で描かれていると思うので、本当にシンプルなことなんですけど、とっても楽しい気持ちになれる作品になっていると思います!」

悠木「あと実はまだ私たち、“お子さまランチ”が最後にどうなったかを観れていないんです(笑)。めちゃくちゃ楽しみで、映画館で皆さんと一緒に完成したかわいい“お子さまランチ”を観なきゃと思っています!」

取材・文/富塚沙羅

3世代プリキュアを演じたファイルーズあい、悠木碧、成瀬瑛美にインタビュー!/撮影/興梠真穂