アメリカ・ホワイトハウス

ジョー・バイデン大統領は18日、米CBSテレビでのインタビューで「中国が台湾に侵攻すればどうするか」との質問に対し、「もし中国軍が台湾への侵攻に乗り出せば、米軍の要員が台湾を防衛する」と明言した。


■繰り返される「Yes!」

バイデン大統領は今年5月に日本を訪問した際にも、台湾防衛で米軍が関与するとの意思を示しており、台湾を助ける意思を再び表明したことになる。

要は、これは台湾有事の際、米軍が中国軍と軍事的に衝突することを意味するもので、この繰り返される「Yes!」について、中国政府は即座にバイデン大統領を批判し、必要とされるあらゆる措置を講じて領土の完全性と主権を守る用意があるとけん制した。


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■バイデン大統領のYesは信じられるか

では、このYesを信じることができるのか。台湾有事について、専門家や政府高官の間でその可能性が高まっているとの認識に大きな差はない。

しかし、ホワイトハウスは長年、台湾への軍事介入について、するともしないとも発言しない「戦略的曖昧」に徹しており、“介入するかもしれない”と思わせることで中国の行動を抑止してきた(中国を思いとどまらせてきた)。

要は、バイデン大統領はこれを踏み越える発言をしていることになるのだが、ホワイトハウスは今でも同大統領の一連のコメントについて直ちに重要視しない立場を表明し、米国の政策に変更がないことを強調している。

■政権全体の意見は…

ここで問題になるのは、バイデン大統領の発言はあくまでも個人的発言で、政権全体の意見ではないということだ。当然ながら、軍事介入など重要な政策決定において、側近や周辺などホワイトハウス全体の意見を無視することは簡単ではない。

そうなってくると、このYesは極めて懐疑的と言えるだろう。しかもバイデン政権が再来年以降も続かない可能性もあり、次期政権では全く違う見解が見られるかも知れない。


■中国は米国の矛盾を探っている

今後短期間のうちに中国が台湾へ侵攻することはない。しかし、重要なのは中国はいつでも米国の矛盾を探っており、米国が関与できないと確信すれば、台湾有事のリスクはグッと上がることになる。

今後、この問題でバイデン大統領ホワイトハウスの間で亀裂が深まれば深まるほど、中国は台湾周辺でより過激な行動を取って米国を揺さぶってくるだろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

バイデン米大統領がまた台湾防衛に「Yes」 本当に信じることができるのか