連休のたびに日本列島を台風が襲ってくる。そんな時、頼りにされるのが「お天気お姉さん」だ。気象や災害の情報を冷静に伝えるのはもちろん、持ち前の色香で鬱々とした気分まで和ませてくれる。でも、テレビだけに目を奪われてはいないか。今や彼女たちの主戦場はネット。嗚呼、これを見ないなんて、もってのほかだ!

 生放送中、女性キャスターが突然、自らの口元を押さえて、

すいません。私、クッキーのカスが付いてました‥‥失礼しました」

 と顔を赤らめる3分弱のYouTube動画が合計再生数100万回をオーバー。空前の大ヒットと言っていいだろう。

 このムーブメントを引き起こしているのが、「さやっち」の愛称で知られる檜山沙耶キャスター(28)だ。彼女は気象情報を取り扱う株式会社ウェザーニューズに所属する、いわゆる“お天気お姉さん”。だが、テレビ番組とは縁がなく、同社が展開するライブ配信番組「ウェザーニュースLiVE」に出演しているだけ。「檜山人気」を民放局関係者はこう分析している。

「彼女は大学卒業後、一般企業に勤めてから、ウェザーニューズのキャスターオーディションに合格して中途入社しています。ミスコンで学生時代から注目されて、アナウンススクールに通って内定を勝ち取る‥‥そんな女子アナみたいなギラギラした上昇志向を感じさせない経歴が好感を呼んだのでしょう。18年にデビューしてからは、『知的で上品なのにドジっ子』というギャップに魅了されるファンが大量発生。地上波には本格進出していませんが、間違いなく『今、最も勢いのあるお天気キャスター』です」

 檜山キャスターが出演するライブ配信番組は同社のアプリ「ウェザーニュース」のほか、YouTubeやニコニコ生放送など、複数のネット媒体で視聴可能。これが、人気を後押ししている。ネットだからこそできる視聴者との双方向のやりとりがウケているのだ。

「配信中にキャスターがチャットで寄せられた視聴者のコメントを読み上げることで、ファンとの親近感が生まれています。先日の『クッキー事件』の際には、翌日の番組内でも散々ファンからイジられ続け、終始恥ずかしがる姿は『清楚なのにドM』そのもの。ほのかなエロスすら感じられるのです」(民放局関係者)

 加えて、檜山キャスターの認知度を猛スピードで加速させたのが、YouTubeで拡散されている「切り抜き動画」である。

 事前にウェザーニューズ社と広告収益を分配する取り決めを交わし、ファンが番組での映像を再編集して投稿している。冒頭で紹介したのも切り抜き動画なのだが、他のものも見てみると、実に秀逸なのだ。

 視聴者から送られてきたお好み焼きの写真を見て、

「平べったいタコ焼き?あるんですね、こんなの」

 と天然ボケを炸裂させた動画は再生数170万回を超えた。また、チャットで送られてきた「愛知、クソ暑い」のコメントに対して、

「私はクソ暑いなんて絶対言わないです‥‥。あっ読み上げちゃった!」

 檜山キャスターが赤面して悶えまくった動画は合計700万回以上再生されている。いやはや、視聴者のS心をくすぐる内容ではないか。

「でも、驚異の2887万回再生を記録したのは、『プロの切り替え』が話題となった動画でした。生放送中に地震が発生し、にこやかにフリートークをしていた檜山キャスターがキリっとした表情で速報したのです。こうしたマジメなキャスターぶりがあってこその人気なのです」(民放局関係者)

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