血がつながっている兄弟だからこそ、相手の癖や素行に許せないと感じることもあります。が、一方で、血がつながっているゆえに強く注意できないことも多いようです。そこで、「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「兄弟姉妹のトホホな話」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2020年1月17日、情報は掲載当時のものです)。

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 夫婦問題専門のカウンセリング集団として多くのメディアでも取り上げられている「離婚110番」を主宰する澁川良幸氏によれば「夫が高収入でも、妻に共働きを強要する事例が増加しています」と言います。

結婚式
※画像はイメージです(以下同じ)
 これは、多数の離婚問題解決に携わってきた渋川氏の実感によるものですが「こうした認識のズレが、しばしば夫婦のもめごとの原因になります」とも。今回紹介するのは、専業主婦願望の義理の妹を味方した姉と、ケチな弟のバトルです。

コンサル勤務の弟の意外な素顔

「28歳の弟は、コンサル会社勤務で、海外でMBAの資格も取得し、さらに高収入の同業他社に転職しました。また、転職に合わせて以前から交際していた女性Aさんとも結婚。でも、すごいケチなので、結婚した途端、彼女が、義理の姉である私に泣きついてきたんです」

 そう語るのは、都内のデザイン会社に勤務するWebデザイナーの有本有紀さん(仮名・29歳)。弟のケチぶりは幼少の頃からでしたが、結婚したばかりの妻Aさんにその矛先を向けたのです。

「弟はAさんに『専業主婦は許さない。君も資格を取って、働きなさい』と、共働きを強要したんです。結婚したらすぐに子供がほしいAさんに、弟は『それよりまず手に職を持って働いてくれ。まずは資格だ』と反対して、今の職場で働きながら、資格取得を勧めています」

 弟夫婦は、異業種交流会で知り合い、交際1年未満でゴールイン。勢いで結婚したため、結婚前に将来の設計を話し合わなかったのです。

子供に関する仕事につきたい

結婚

Aさんは、弟が高収入だから『あくせく働かなくてもいい。子供が生まれたらゆっくりと子育てできる』と思っていたそうです。結婚前の話し合いがなかったことを反省していますが、それにしても弟もAさんのことを理解してあげたらいいのに」

 ため息まじりの有本さん。結婚しても子供が生まれても働き続ける女性が増えてきましたが、専業主婦を選ぶ女性もいまだに多いです。

「私の友達の中にも、出産する前はバリキャリだったのに生まれてきた子供の顔を見るたびに可愛くて、いつも一緒にいたいと思うようになって、子育てに専念するべく退職した女性もいます。だから子供好きであるAさんの気持ちもわかるんです

弟は「これは僕たち夫婦の問題だ」

 しかもAさんは、子育てが一段落したら、子育ての経験も生かせるような、子供に関する仕事に就きたいと希望しているのです。

専業主婦になって弟にべったり依存しようとしているわけではないし、『ゆくゆくは子育ての経験を活かしたい』と復帰に対しても真面目に考えています。そこで弟に『彼女の希望を叶えてあげたら』とアドバイスしたら、キレられたんです」

「世の中は不透明だから、共働きをしたほうが安心だ」と語る弟。その言い分に対し、有本さんは「それなら彼女が出産したら会社を休職し、子育てが一段落した頃に復帰すればいい」と反論。

 しかし、弟は「妻の会社は業績が良くない。だから資格を取って、再就職すべき」と、彼なりに“将来性のある仕事”を勧めている模様。さらに「これは僕たち夫婦の問題だ」と有本さんを突っぱねます。

両親が「通信講座代」をプレゼント

貯金

 その結果、まだ新婚ということもあり事を荒立てたくないと、Aさんも納得することになったそうです。有本さんは「Aさんは子供関連の仕事ではなく、将来的にニーズのある医療事務の資格を取ろうとしました」と語ります。しかし――。

Aさんは、通信講座の代金払ってもらうよう弟にお願いしたのですが、『自分の資格代は自分で払って』と拒否してきたそうです。資格をとれと強要しておいて、この仕打ちはさすがに厳しいですよね……。ただ、もはや私では弟を説得できないと感じたので、両親に相談しました。すると両親が『新婚のお祝いとして』通信講座代を全額プレゼントしたんです。弟夫婦も喜んでいますが、なんとなく釈然としないものがあります」

 そう語る有本さん、ケチというより男としての器が小さい弟に、完全に呆れてしまったようです。

― 特集・兄弟姉妹のトホホな話 ―

<取材・文/夏目かをる イラストカツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

【澁川良幸】
1963年東京生まれ。中央大学卒業。「離婚110番」主宰者。心理カウンセラー。人材派遣会社、出版社、通信機器販売などを経て調査業を営む

【夏目かをる】

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。 Twitter:@7moonr