道路の傍らに設置され、夜間に光って警察官の姿に錯覚させる看板が、幹線道路などで見られます。取材をしてみると、「ナイトポリス」なる製品であることが分かりました。

本能的にアクセルを緩めさせる「魔法の看板」

夜間に自動車を運転していると、電柱の脇にふと照らされるシルエット――

「うわっ、警察官が赤色棒を持って立っている!」と身が引き締まったのも束の間、その正体は線が引かれただけの看板だった……そんな体験をした人もいるでしょう。この看板は、事故多発地点や幹線道路を中心に設置され、危険運転を未然に抑止する効果を発揮しています。

この“警察官もどき”の看板、一般的には「ナイトポリス」という製品名で、複数の安全製品の会社から販売されています。

基本的には「帽子の横ライン」「安全チョッキの縦ラインと腰のライン」「腕のラインと赤色棒」で構成されるシンプルデザイン。最小限のパーツながら、人間の脳内にはしっかりと警察官を想起させる優れモノとなっています。

交通安全・防犯・防災用品の製作販売などをおこなう安全企画工業によると、このような看板が販売されはじめたのは40年近く前だそうです。実はヒット商品のひとつ、そして実は"進化”していることも分かりました。

そもそもなぜ作ったの?

ナイトポリスは、もともと別の会社が、鋼材を「カカシ」のように組み、反射材を使用して警官らしくしたのが発祥だといいます。それがより汎用的な「立て看板」「電柱貼り付け」のタイプに発展していったのが、現在のナイトポリスだそうです。

同社では多いときは年間1000枚以上、平均でも500枚を売り上げる、公共向け主力商品のひとつ。顧客の多くは警察や交通安全協会で、2~3割ほどが道路管理者など自治体だといいます。ちなみに立て看板と電柱貼り付けタイプでは、売れ行きが同じくらいとのこと。

今やロングヒットである「ナイトポリス」ですが、実は時代に合わせて変化しています。まずは「よりリアルな警察官に見せるか」ということで、警察官の制服の変遷にあわせ、デザインを随時変更。また、上半身の”安全帯”を垂直から「V型」に改良し、より警察官らしくしています。さらに、昼間に「ナイトポリス」と見抜かれないよう、反射材を目立ちにくくしているタイプも開発されています。

メイン顧客である警察・自治体の反応は上々。発売時から「いいアイデアだよね」「面白いよね」「ドキッとして効果がありすごく面白い」といった感想があるほか、電柱貼り付け型は立て看板と違って「丸み」が生まれるため、「より人間の体に近く見える」という声も。「一か所に長く設置すると見慣れて効果が薄くなるので、場所を変えるようにしている」という所もあるといいます。

警察関係者は「もともと交通安全運動を中心に、生身の警察官による注意喚起などを実施していましたが、ある程度の効果があれば看板で代用でき、他の活動へ人的資源を回すことができます。幹線道路では生活道路に比べて日常利用でないドライバーが多いため、看板による効果は高いと感じています」と話していました。

警察官かと錯覚させる立て看板(乗りものニュース編集撮影)。