日本固有の発展と進化を遂げたのが、いわゆる「ツッコミ」の文化。お笑いに縁がないという人でも、日常生活の中で知人の言動に「ツッコミを入れたことがある」という経験はあることだろう。
現在ツイッター上では、とあるゴミ捨て場で発見された「キレッキレのツッコミ」に反響の声が寄せられているようで…。
■「ユーモアのある街」に理由に納得
注目を集めているのは、ツイーッターユーザー・べーたさんが投稿した1件のツイート。
「ユーモアのある街に住んでる」とだけ綴られた投稿には、ゴミ捨て場で撮影したと思しき写真が添えられており、中身の詰まったゴミ袋が確認できる。
これだけであれば特筆すべき事象はない、何の変哲もない日常のワンシーンなのだが…なんと、件のゴミ袋には「ちがうちがう、今日じゃ」「今日じゃなーい」という独特なフレーズと共に、顔の前で手を振っている男性のイラストが描かれていたのだ。下の部分には「廃プラは火曜日です」という補足の一文が記されている。
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■「こういう返しができるようになりたい」
一連のフレーズを聞いただけでピンと来た人も多いと思うが、こちらのフレーズは歌手・鈴木雅之の代表曲『違う、そうじゃない』の歌詞の一節「違う違う、そうじゃ」「そうじゃない」のパロディと思われる。
1994年にリリースされた同楽曲のシングルジャケでは、スタイリッシュなポーズを決めた鈴木と共に「違う、そうじゃない」という曲名が印字されているため、ネット上では「(言いたいことは分かるが)そういうことじゃないぞ」とツッコミを入れる際、文章を省略して同ジャケの画像のみを送信するムーブが半ば「ネットミーム」として定着しているのはご存知の通り。
若い世代の中には「曲を聴いたことはないけれど、このジャケは知っている」という人も珍しくないだろう。散々ネタにされまくっているため「楽曲もイロモノ」と想像している人は少なくないかと思うが、R&Bやファンク、ソウルをベースにした最高にクールなナンバーであることを明記しておきたい。
そうした背景もあってか、件のツイートは投稿からわずか数日で2万件以上ものRTを記録するほど話題を呼んでおり、他のツイッターユーザーからも「この書き方なら角が立たないので良いですね!」「こういう返しができる人になりたい」「全国の自治体で採用してほしいな」といった反響の声が寄せられていたのだ。
なお、こちらの張り紙の詳細について調査してみたところ…。
■張り紙の「第2弾」も最高すぎる…
ユーモアのある街に住んでる pic.twitter.com/2tgXRiJ47v
— べーた (@onecuprain) September 30, 2022
ツイート投稿主・べーたさんに発見時の様子について尋ねたところ、件の張り紙(およびゴミ袋)は、京都府京都市左京区の、とある学生街で発見したものと判明。
べーたさんは「たまたま近所を歩いていたときに、目に入ったという感じです。かなりインパクトのある絵だったので」「自分が街歩きが好きで、常に街を見渡しながら歩いているから…というのも関係しているかもしれませんが」とも補足していた。
なお件のゴミ捨て場には、同一人物が掲出したと思われるイラスト付きの張り紙が他にも確認でき、こうした嬉しいひと工夫があるだけで、面倒なゴミ捨ての印象が大きく変わりそうである。
■念のため京都市に話を聞くと…
ユーモアのある近隣住民が掲出した可能性が非常に高い一連の張り紙だが、京都市の担当者が掲出している張り紙という可能性も決してゼロではない。
そのため今回は「京都市東部まち美化事務所」の担当者に、市がこうした張り紙を掲出するケースがあるのか尋ねてみたところ「その可能性も考えられる」という反応が返ってきたのだ。
そこで、さらに一歩踏み込んで「鈴木雅之のパロディがなされた張り紙である」という旨を伝えたところ、担当者は破顔した様子で「それは京都市の対応したものではございません」「恐らく自治体の方が独自に掲出されたものではないでしょうか」との回答を寄せている。
京都を訪れる機会があった際は、べーたさんのように街の隅々に注意を払ってみると、思わぬ発見があるかもしれない。
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