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 オリックスソフトバンクと同率ながら直接対決で白星が上回ったとして2連覇を飾った2日夜は、ロッテでも激震が走った。井口監督がレギュラーシーズン最終戦となったこの日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)の試合後に今季限りで退任すると電撃発表した。

 各スポーツ紙はシーズン終盤に球団側から残留を要請する方針と伝えており、来季もチームに残ることが既定路線とみられていた。が、試合後のあいさつで「3年ぶりにBクラスになってしまったことは私の責任と思っています。『2025マリーンズプロジェクト』に向けて突き進んで参りました。が、道半ばではありますが、今シーズンで退任させていただき、次の指揮官バトンを移していきたいと思います」と表明した。

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 各メディアによると、退任が決まったのはこの日の試合前。試合後には「きょう決まったこと。選手にも伝えられなくて、ああいう場で言うしかなかった。今年ふがいない成績で、優勝を目指していたところで、Bクラスとなってしまった。それは自分の責任」と明かした。

 2017年にロッテで現役を引退し、そのまま監督に就任。今季が5年目だったが、2020、21年と2年連続でリーグ2位をマーク。今季は3年ぶりにBクラスに転落し、5位だった。

 ファンの間では試合の采配を疑問視する声もあり、あいさつの前には右翼席からもヤジが飛んだという。その一方で「令和の怪物」の異名を取る高卒3年目の佐々木朗希投手を大きな故障もなく育ててきたことを高く評価する意見も多い。ツイッターなどのSNSでも「ここまで我慢して丁寧に育てられたのは吉井コーチとその助言を受け入れた井口監督の功績だと思う」との意見もあった。

 佐々木朗については2020年にドラフト1位で入団したが、入団1年目は2軍の試合を含めて実戦に登板すらさせなかった。それでも指揮官の目が届く1軍の練習に参加させ、体力づくりに専念させた。1軍デビューを飾ったのは昨季で先発11試合で3勝を挙げた。3年目の今季は開幕ローテ入りを果たし、4月のオリックス戦では史上16人目の完全試合を達成。最終的に9勝どまりだったが、無理な登板をさせず良い意味で「過保護」に徹した。

 井口監督の退任に合わせて河合克美オーナー代行兼球団社長が今季限りで辞任することを表明。指揮官就任に合わせて5年計画を立てて今季の優勝を目指していたが、それがかなわず一緒に責任を取った形となった。

 後任監督には生え抜き福浦和也打撃コーチの昇格が有力視されているもようだが、チームは打力の脆弱(ぜいじゃく)さが悩みの種。そちらの手当が喫緊の課題のようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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