FBIが、故アレサ・フランクリンを40年間追跡していたことが判明した。2018年8月に76歳で死去したアレサは、FBIの監視対象として虚偽の電話を受けたり、自身の側近にFBIスパイが潜入していたという。ローリングストーン誌が入手した270ページにわたるFBIファイルによって明らかとなった。

同誌によると、大幅に編集されたそのファイルには「黒人過激派」「共産主義支持者」「アメリカへの憎しみ」「急進的」「人種間暴力」「武闘派黒人勢力」といった言葉が並び、アレサやその作品、本人と親しかった活動家エンターテイナーらへの疑惑で埋め尽くされているという。

FBIはアレサの住所や電話番号を定期的に調査、公民権運動やマーティンルーサーキングジュニアアンジェラ・デイヴィスらとの関係について注目していたそうで、新たに機密解除となった同ファイルには他にも、マーティンルーサーキングジュニアの葬儀の計画に関する1968年の報告について「人種的状況」と説明し、こう続けている。

サミー・デイヴィス・ジュニアやアレサ・フランクリンといった集団の中には武闘派黒人勢力のコンセプトを支持する者もいる。これらの有名エンターテイナーによるマーティンルーサーキングジュニアの葬儀でのパフォーマンスはこの地域の人種騒動に火をつける可能性がある」

しかし黒人解放軍やその他の過激組織とアレサを繋げようとするFBIの試みは失敗に終わったそうで、同ファイルの文書の一つにはアレサとアトランティック・レコードレコード契約があるが、それもブラック・パンサー党との繋がりの可能性を示唆するのみにとどまっている。

また、同ファイルにはアレサに対する死の脅迫状や報告も含まれており、本人とその家族を殺すと脅した男性や、別件の恐喝の試みなどが記載されていたという。

一方、アレサの息子の1人ケカーフ・フランクリンは母親が自身が監視下に置かれていたことに気づいていたかはわからないとしつつ、何も隠し事をしていなかったアレサに対する何年にもわたるFBIの捜査は「時間の無駄」だったと明かしている。

また同ファイルにはFBIがさらに追加の資料を持っていることが示唆されており、同誌はそれらの公開を求めているという。