スーパードラッグストアなど多くの小売店が休業となる正月もいつも通り営業を続けるコンビニ。ところが、いくら年中無休を謳っていても災害時はそうもいきません。2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震では、道内の多くのコンビニが臨時休業となりました。

停電 男性
画像はイメージです(以下同じ)
 これは地震の影響で道内のほぼ全域が停電したことによるもの。地震が起きたのは多くの方が就寝中の深夜3時過ぎでしたが、朝になって電気が使えないことを知った人も多かったようです。

 札幌在住の会社員の土橋怜人さん(仮名・29歳)も起床後、トイレの電気が点かず、テレビリモコンを押しても画面が映らなかったことで停電が起きていることに気づいたそうです。

近所のコンビニが何軒も臨時休業になっていた

「揺れが強く(※彼の住んでいた地域は震度5強)、一瞬目が覚めましたが、ウチは倒れるほどの高さがある本棚やタンスは置いてありませんでした。それで安心していたのもあるけど、そのまますぐに再び寝落ちしちゃったんです(苦笑)」

 不安を感じつつも出勤のために自宅を出ると、近くの交差点の信号は消えたまま。最寄り駅でも始発から列車がすべて運休しており、想像以上のとんでもない事態が起きていることを悟ります

「1時間半近く歩いて会社に向かいましたが当然業務どころではなく、支社長判断でその日は午前中で仕事は終わり。その後、再び1時間半かけて自宅まで戻りました

途中であった店を素通りしたのは痛恨のミス

頭を抱える男性

 ちなみに土橋さんは滅多に自炊をせず、食事はもっぱら外食か買ってきた弁当・惣菜。地震当時、自宅にあった食料といえば、インスタントラーメンが何個かあるだけ。帰宅途中、道沿いには何軒もコンビニがありましたが自宅近くの店で買えばいいと考えていたため、全部素通りしてしまいます。

これは完全に自分のミス。すでに異常な状況下に置かれていたのにそれでも楽観視していました。ようやく自宅近くまで戻り、行きつけのコンビニに立ち寄ったのですが入口には“臨時休業”の貼り紙……。“コンビニ=常に開いてる”ってイメージがあったため、これはまったくの予想外でした。おまけに近くにあった別のコンビニにも同じく臨時休業。ここで初めてかなりヤバいんじゃないかと思いました」

セイコーマートで食料をなんとか確保するも…

 それでも3軒目に訪れた北海道のご当地コンビニセイコーマートは停電の中でも営業中。弁当・惣菜類やパンは完売していましたが、カップ麺が若干残っていたので迷わず購入。すると、家に着いてからお湯を沸かせなかったことに気づいてしまいます

ウチはIHコンロだったんです。非常時にも使えるカセットコンロやキャンプ用のアウトドアコンロもありません。さすがにお湯ではなく水を入れたり、そのまま食べるのも気が引けたので再びコンビニに戻りました。でも、調理不要で食べられるようなモノはほとんどなく、まだ残っていた少ない商品の中からスナック菓子と枝豆を購入。これをその日の食事にすることにしました」

 しかし、家に居ても特にやることがなかったので食べ始めると、冷蔵庫に入っていた缶ビールを飲みながらだったこともあり、すぐに食べ尽くしてしまいます。昼食を取らずに会社まで往復3時間歩いていたので普段よりもお腹が空いており、ストックしていたインスタントラーメンをそのままボリボリ食べることに

キャンディーやガムで飢えをしのぐ

コンビニ ガム

「先程買ってきたカップ麺は液体スープだったため、そのまま食べるなら粉末スープインスタントラーメンのほうが合うと思ったんです。ベビースターラーメンみたいな感じで結構イケましたよ(笑)

 この状況でも「明日になれば復旧しているはず」と妙に前向きだった土橋さん。その日は酔った勢いで早々に床に就いたそうですが、実際には翌朝になっても停電したまま。しかも、スマホバッテリー切れを起こしていたそうです

「会社は停電が続いていたら臨時休業という取り決めになっていました。仕事がないのは助かりましたが、問題は今日の分の食べ物とバッテリーの確保。そこで前日訪れたセイコーマートに行きましたが、どっちも売り切れていまいした。仕方なく残っていたキャンディーやガムを買いましたが、家に食べ物が何もなかったため、腹は膨れませんが口に入れるモノを確保できたのは助かりました

やっと文明人に戻れた気がした

カップ麺

 すると、この日は札幌市内でも徐々に電気が復旧。彼が住んでいる地域も夕方になって回復します。

「停電していたのは1日半くらいですが、それ以上に長く感じましたね。お湯を沸かしてカップ麺を食べることができた時、やっと文明人に戻れた気がしました。毎日、コンビニに行ってる割には食料を全然備蓄していなかったため、今はいざという時に備えて最低数日分はストックするように心がけています

 なお、停電中に彼がたびたび買い物に訪れたセイコーマートですが、胆振東部地震後の電気が使えない状況下でも道内の95%の店舗が営業を継続。これはコンビニ各社と比べても圧倒的に高い数字です。

 今やコンビニは我々の生活になくてはならない存在。それだけに災害時でも店を開けてくれるのは本当にありがたいものですね。

TEXT/トシタカマサ イラストカツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

【トシタカマサ】

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中