5日、天皇杯準決勝のヴァンフォーレ甲府vs鹿島アントラーズが県立カシマサッカースタジアムで行われ、1-0で甲府が勝利。今月16日に日産スタジアムで行われる決勝戦への進出が決定した。

J1で5位の鹿島は直近のリーグ戦からスタメン2人を変更。対してJ2で18位の甲府はここまで5連敗と苦戦中も、直近のリーグ戦から変更は1人のみ。クラブ史上初の決勝戦進出を目指して敵地での一戦に臨んだ。

開始早々にレフェリーの無線機器トラブルで一時的に試合が中断するアクシデントがあった中、戦前の予想通り、ボールを保持するのは鹿島。しかし、甲府もコンパクトな陣形を維持し、少ない手数でショートカウンターを狙う。

21分、甲府は敵陣深い位置でのパス回しから三平が最終ラインの背後に抜け出し、GKクォン・スンテとの1対1を制して冷静にネットへ流し込む。先制かと思われたが、三平がボールを受けた時点がオフサイドと判定され、ゴールは幻に。

その直後には鹿島に決定機。22分、ディエゴ・ピトゥカからのワンタッチパスをゴール前右寄りで受けた鈴木がダイレクトで右足を振り抜くも、ファーネットを狙った一撃はわずかにゴール左へと外れる。

鹿島は続く32分にもチャンス。土居が敵陣ボックス付近で甲府のパスミスを誘発し、こぼれ球を回収したアルトゥール・カイキがボックス左隅から右足でコントロールショットも、惜しくもゴール上へ。少なからずゴールを予感させる鹿島だったが、先制点は下剋上を狙う甲府の手に渡る。

37分、甲府は自陣からビルドアップを開始し、センターバックの浦上が前線へロングフィード。このボールに反応した宮崎が最終ラインの背後に抜け出し、GKと1対1に。距離を詰めてきたクォン・スンテをボックス内で冷静にかわすと、右足でネットへ流し込んだ。

雨脚が強まるなかで迎えた後半、1点リードの甲府は前半同様にコンパクトなブロックを敷いて鹿島のポゼッションに対応。対する鹿島はハーフタイムに土居と名古を下げ、エヴェラウドと仲間を投入。まずは同点ゴールを目指す。

鹿島は66分、最終ラインからのロングフィードを前線の鈴木がヘディングで落として仲間へ。仲間からパスを受けたピトゥカがペナルティアーク付近から左足シュートを放つも、ゴール上へと大きく外れる。

直後の67分には絶好機。ボックス右の鈴木がセンタリングを送ると、ゴール前で待ち構えたエヴェラウドが頭で合わせる。だが、甲府GK河田のファインセーブに遭い、ネットは揺らせず。後半は圧倒的に攻め込む鹿島だが、肝心のゴールが遠い。

83分には右サイドでFKを獲得し、キッカー樋口が中央へクロスを送る。関川がファーサイド折り返し、ゴール前で受けた仲間が体勢を崩しながらも執念でネットへ押し込むが、このシーンは仲間のオフサイドと判定される。

なおも果敢に攻め込む鹿島だが、ピッチ全体で集中を切らすことのない甲府に手を焼き、ゴールが遠い。結局、後半アディショナルタイム4分も含めてネットを揺らすことはできず、試合終了のホイッスル。鹿島の猛攻を耐え抜いた甲府が1-0で勝利し、クラブ史上初となる決勝戦進出を勝ち取った。

なお、J2勢の天皇杯決勝戦進出は2014年度大会のモンテディオ山形以来8大会ぶりに。甲府は決勝戦で京都サンガFCvsサンフレッチェ広島の勝者と対戦する。

鹿島アントラーズ 0-1 ヴァンフォーレ甲府
【甲府】
宮崎鴻(前37)

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