メスを入れることなく顔のたるみを改善したり小顔になれるとして人気の美容治療「糸リフト(スレッドリフト)」だが、イギリスのある女性は悪質な美容クリニックで受けた糸リフトの施術によって、顔の両側に大きなへこみが残ってしまった。女性は施術を希望する人々に「美容クリニックはきちんと調べるように」と訴えている。『The Mirror』『The Sun』などが伝えた。

チェシャー州在住のミリー・パウエルさん(Milly Powell、27)が先月21日、TikTokに投稿した動画が350万回以上も視聴されて注目を集めている。動画には糸リフトの施術を受けた後のミリーさんの姿が捉えられているが、彼女の両頬にはまるで刃物で切られた傷跡のような大きなへこみができていた。

一般的に糸リフトは、時間とともに体内に吸収される特殊な糸を使用し、皮膚の下に通した糸で顔のたるみなどを改善する美容治療である。その糸リフトの施術をミリーさんは1年前に受けたが、彼女は左頬にあるえくぼをフィラーで目立たなくするために美容クリニックを訪れたそうだ。

ところがクリニックでは3人のスタッフから執拗に糸リフトを勧められ、ミリーさんは顎と唇と頬のフィラー注入に加え、糸リフトの施術を受けることになった。施術は15分ほどで費用は850ポンド(約14万円)だったそうだがミリーさんはその後1年間、粗悪な糸リフトの施術によって苦しむことになってしまったのだ。ミリーさんは施術した当時をこのように振り返っている。

「クリニックの女性スタッフは私に繰り返し注射をしている間、ずっと電話で話をしていたんですよ。彼女は本当に集中していなくて、私にしている処置に少しの注意も払わなかったんです。」

そして施術が終わった後、ミリーさんは自分の顔を確認すると両方のこめかみの下から頰にかけて皮膚がへこんでいることに気づいた。心配になった彼女はクリニックのスタッフに「これって普通のことなんですか?」と尋ねたところ、「全然問題ありませんよ。これが普通です」と返され、他のスタッフからも「へこみは2日ほどで消える」と言われたという。

ミリーさんは納得がいかないままクリニックを出たが、その1時間後にひどい頭痛が襲った。頭痛は5日経っても改善されないうえに頬のへこみが消えることはなく、むくみや顔のこわばりなどにも悩まされた。心配になったミリーさんは施術したクリニックに電話をしたが繋がらず、Instagramで連絡を取ろうとした。

するとミリーさんは、クリニック公式のInstagramに低評価である1つ星のレビューが220件もあることに気づいた。その後クリニックのInstagramは削除されてしまい、連絡が取れないためミリーさんは他の美容クリニックを頼ることにした。

訪れた新たな美容クリニックでは、顎に注入したフィラーが大きな塊になっていることを医師に指摘されて「すぐに除去が必要」と言われたという。それから1年間、ミリーさんは頬のへこみの治療に専念したが糸リフトの施術後から彼女はトラウマを抱えてしまい、精神面でもかなり辛い思いをしたようだ。

ミリーさんは「当時は怖くてどこにも出かけたくなかった。それに施術してから2週間ほどは怒りっぽくて仲のいい友人たちとも仲違いしてしまったんです」と語り、治療は今も続けていることを明かした。そんなミリーさんは、施術を希望する人が自分と同じような目に遭わないようにSNSを通して自らの経験を共有することにしたという。彼女はTikTokに投稿した動画に次のように言葉を添えている。

「すべての若い女性へ言いたいことがあるの。私と同じ目に遭わないで。SNSで目にするような馬鹿げた美の基準を鵜呑みにしないでください。あなたがどうしても自分の容姿に手を加えたいと思うなら、きちんと自分で確認して資格のある評判の良いクリニックを訪れてください。」

画像は『milly 2022年9月21日付TikTok「DO NOT MAKE RASH CHOICES.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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