川口春奈主演の木曜劇場「silent」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系※初回は夜10:00-11:09)が、10月6日からスタートした。共演の目黒蓮(Snow Man)と織り成す、切なくも温かいラブストーリー。耳の病気を発症し音のない世界で生きることになった青年・想を演じる目黒が圧巻の演技を見せて、初回からTwitterのトレンドランキングは世界1位を獲得した。(以下、ネタバレが含まれます)

【写真】川口春奈“紬”に話しかけられた目黒蓮“想”が手話で「うるさい」!

■音のない世界でもう一度“出会い直す”男女の物語

今作は『フジテレビヤングシナリオ大賞』受賞作家である生方美久の完全オリジナル作品。主人公・青羽紬(川口)が、本気で愛するも別れることになってしまった高校時代の恋人・佐倉想(目黒)と8年の時を経て偶然、再会。そこに待ち受けていた現実と向き合いながらも寄り添い、乗り越えていこうとする姿を描く。

大切な人との別れを乗り越え、今を生きようとしている女性と、障がいを患ってしまったことで自分と向き合えず別れを選んでしまった青年。音のない世界でもう一度“出会い直す”ことになった二人と、それを取り巻く人々が織り成す、切なくも温かいラブストーリーだ。

■「音」を大切に思う紬が見つけた恋

第1話を期待しながら見た視聴者も、何気なく初回放送を見た人も共に、この作品との出会いは幸運といえるだろう。「silent」はドラマ好きにとって“良作の匂いしかしない”といった要素が初回からふんだんに盛り込まれていた。

まず、紬と想が付き合う流れになった高校時代の胸キュン展開と、急に別れを告げられて以降、想のいない日常を送る紬たちの世界を絶妙なバランスで描いている。8年前の回想シーンと現在の行き来が秀逸なのである。

紬が想のことを気になったきっかけは「好きな声で好きな言葉を紡ぐ人だった」ということ。紬が現在CDショップで働いているのも、高校時代に想から音楽の良さを教えてもらったからだということが分かるし、クローゼットの奥にしまい込まれていた有線のイヤホンと想の書いた作文からも、紬にとって「音楽」や「音」、そして想との思い出を大事に心の奥に残してきたというのが伝わった。

■紬と想が再会…手話の演技に視聴者「涙腺崩壊

どちらからともなく引かれ合って告白をし合い付き合うことになった高校時代の紬と想。だからこそ、紬の前から「好きな人がいる。別れたい」のメッセージだけを残して想の消息が不明になっていたことは、紬や現在の彼氏で想の幼なじみである湊斗(鈴鹿央士)の心にぽっかりと空いたままの穴ぼこだった。

道で偶然、見かけた想の姿が目に入ってから物語が大きく動き出す。紬としては想がなぜ急に消えてしまったのか一言だけでも話がしたいし、現在の想がどういう暮らしをしているかなんて知りもしなかった。ところが、紬の姿を見た想は逃げるようにして去った。その後、紬の問いかけに答えることはなく、手話で「話しかけないで」「これでわかっただろ」「声も聞けない」「うるさい」「お前うるさいんだよ」と畳みかけた。

突然の手話に戸惑う紬も、病気と恋人との別れに一人で耐えてきた想も、お互いの気持ちが切なく、見ていて胸が痛くなるようなシーンだった。視聴者は「切なすぎる」「これは名作の予感」「涙腺崩壊です」「初回からこの熱量…演技えぐいな」等、SNSでの反響が止まらなかった。

男女がお互いを思い合うことの温かさと切ないすれ違い、そして厳しい現実を前にした若者とその家族や周囲の人間の気持ちを、この先も細やかに描いてくれるだろう。

「silent」第1話より/(C)フジテレビ