6日に行われたアルゼンチンプリメーラ・ディビシオン第23節ヒムナシアvsボカ・ジュニアーズが、ファンと警官隊の衝突により中断された。6日にアルゼンチンの複数メディアが報じた。

 報道によると、注目の上位対決となった同試合では、チケットのオーバーブッキングが発生した模様。チケットを所有していたヒムナシアサポーターたちが試合開始後も入場できないことに怒り、スタジアムの外で警官隊と衝突したと見られている。警官隊が鎮圧のためにゴム弾や催涙弾を用いると、催涙ガスがスタジアム内にまで充満。これにより、ピッチ内部でもパニックが発生した。

 ガスの影響は選手たちにも及び、主審は9分過ぎに試合の中断を宣言。選手たちがロッカールームへ引き上げると、スタンドにいた観客たちも次々とピッチになだれ込み、目や鼻を覆いながら事態の沈静化を待ったようだ。また、一部のファンは選手用の通路を使ってスタジアムから避難したとも伝えられている。

 さらに、騒動の中で57歳の男性が心臓の問題により亡くなった。ブエノスアイレス州のセルジオ・ベルニ治安相は詳細を明かさなかったが、「避けられたはずの死だ」とコメントしている。

 事件を受け、アルゼンチンサッカー連盟(AFA)は、「本日発生した公知の出来事を強く非難し、サッカーの祭典に泥を塗るこの種の出来事を根絶するために引き続き努力することを表明する」と声明を発表している。

 今月1日にはインドネシア1部リーグでも、機動隊の催涙ガス使用によってスタジアム内でパニックが発生。少なくとも125名が亡くなる悲劇が起きたばかりだった。

スタジアム内に充満したガスに戸惑うボカの選手たち [写真]=Getty Images